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第136話 サングラスを作ろう(後編)

 もしやサングラスは本当に韓国のりを素材に作られているのでは、

と思い始めた俺は、現世でも二枚の韓国のりを目に当ててみた。

すると、どうだろう。美味しい。食欲は抑えられない。

白米でできたつるもあれば、更なる食欲増進に太鼓判すら押せる。

「僕には目もくれないの?」

同じくご飯のお供常連である納豆が異議申し立て。

埴輪デーモン7世に向かって投げたはずだが、

糸を引いて勝手に戻ってきていたのか。

納豆 vs 韓国のり。手に汗握り、汗は手に握られる試合になりそうだ。


 勝負する項目は味でもなければ、匂いでもない。

ましてや価格でもない。当然大きさでもないし、白米との食べ合わせでもない。

勿論のこと、名前関係でもない。思い返せば、色でもないなぁ。

この際、形でもないんじゃないか?

少し挑戦的な見方をしてもいいのなら、

ベテラン居候が出す自己啓発本の付録になり得る確率でもないと言える。

要は、サングラス素材としての適性度のみであるのだ。

結果はやる前から明白。レンズの完勝。下手に食べ物で代用する必要は無い。


 「僕はサングラスになれないんだ……」

結果を知らされひどく落ち込んだ納豆は急激に黒ずんでいった。

俺が無効試合をけしかけてしまったことは申し訳なく思う。

だが、同情を買おうとしたらそれまでさ。道は自分で切り開いていかないと。

「そうだ、そうだよ。僕自身が頑張らないでどうするってんだい!」

分かってくれたみたいだな。

黒に染まった納豆は一粒ずつくっつき合い、サングラスを形成した。

その努力の結晶は俺が責任を持って掛けよう。

カチャッ。素晴らしい。これはほぼサングラスだ。

では、外すか……は、外れない!

驚天動地の粘り気により、俺は納豆サングラスと不離一体。

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