第105話 宇宙英雄 見参!!
「随分とご無沙汰しておりましたので、
吉村殿にご挨拶だけでもと思いまして。こんちくわ」
吉村殿、吉村殿と、長老ウサギは吉村さんにしか興味がないようだ。
あまりにしつこいので、マナーポリスの囮として利用させていただく。
「そこの四人組、止まりなさい!」
マナーポリスがぐんぐん速度を上げてこちらへ近付いてくる。
ん、四人組? ここには、俺とプリンセス椿、長老ウサギしかいないはずだが。
すると、青白く光る人物が隕石の陰から急に姿を現した。
「愛に導かれし我こそは、オリオン座のムードメーカー、
ベテルギウスとは犬猿の仲、寿命は僅か数億年、
好きな食べ物はハレー彗星、座右の銘は『馬の耳にワイヤレスイヤホン』、
前世はナタデココ、将来の夢はクレーター、その名もリ・ゲ・ル・マ・ン!」
長々とありがとうございました。
「君たちは追われているようだね。ははっ、我に任せてはいけない」
だろうな。お前に命を委ねたときは、死を覚悟したときだ。
「だが、手助けぐらいならしてやらないこともないぜ」
例えば、何ができるんだ?
「自爆」
プスッ。失敗。
「命拾いしたぜ」
自己完結。テンポだけはいいなぁ。
「6月3日午前11時24分 現行犯逮捕」
たった今、リゲルマンが放屁容疑でマナーポリスに連行された。
たぶん「プスッ」をその音と勘違いしたのであろう。
「捕まるぐらいならこうだ。自爆!」
プスッ。失敗。
「ポリスども、命拾いしたな」
罪に罪を重ねたリゲルマン。万策尽きたか?
「最終手段だ。大自爆!」
プスーーーーーーーーーーッ。屁でないとすれば、そもそも何の音?




