漫才:料理のさしすせそ
二人「どうも〜。」
ツッコミ「お前…最近太った?」
ボケ「いや〜バレた?」
ツッコミ「体調管理くらいちゃんとしろよな〜。」
ボケ「いや、実は俺、今、料理にハマっててさ。」
ツッコミ「あれ、お前料理オンチじゃなかったっけ。昔、小さじとカップの違いすらわからなくて、片栗粉をカップに半分入れて、あんかけをわけのわからない塊にしてたよな。」
ボケ「うるせーよ、よく覚えてたなそんな凡ミス。」
ツッコミ「いや、大失態の間違いだろ。」
ボケ「まあ、とにかくそんな極小ミスすらしない俺になった訳を聞いてくれよ。」
ツッコミ「いや、致命的ミスの間違いだろ。」
ボケ「というのもさ、俺が今までちょっとした躓きをしていたのは、これを知らなかったからだって分かったわけ。」
ツッコミ「もう絶対自分の過ちを認めないことにしたのな…」
ボケ「お前知ってる?いや、知らないかな〜〜。」
ツッコミ「もったいぶらずに言えよ。」
ボケ「“料理のさしすせそ”って言うんだけど。」
ツッコミ「………」
ボケ「あ、やっぱり知らなかったか〜ハイレベルすぎてごめんな〜?」
ツッコミ「あ、ごめん、あまりにも小学生の家庭科レベルすぎて、逆に頭がついていかなかったわ。」
ボケ「え、知ってんの???」
ツッコミ「いや、逆にお前、それ今まで知らなかったの???」
ボケ「……お前って……頭良かったんだな……。」
ツッコミ「ああ……お前は頭悪かったんだな……。」
二人「………」(見つめ合う)
ボケ「まあいいや、」
ツッコミ「いいの?」
ボケ「とにかく俺は、“料理のさしすせそ”を知ってめちゃくちゃ料理が上手くなったわけ。」
ツッコミ「おうそれは良かった……って言いたいところだけど、お前の常識レベルの低さに、“料理のさしすせそ”を間違えて覚えてるんじゃないかって、俺はそっちが不安になってきたよ。」
ボケ「いや、そんなわけないでしょ。」
ツッコミ「そもそも、“料理のさしすせそ”って、料理の時に使う調味料のことだからな。」
ボケ「知ってるよ、味付けの基本的なルールだろ。バカにしてんのか?」
ツッコミ「お、意外としっかりしてそうな予感。じゃあとりあえず、“さ”から言ってみろよ。」
ボケ「砂糖」
ツッコミ「面白くない!ツッコミがいがない!」
ボケ「まあ常識だからな。」
ツッコミ「いや、最近まで知らなかったやつはそれ言っちゃダメでしょ。」
ボケ「次いっていいか?」
ツッコミ「おお…じゃあ、“し”」
ボケ「シュガー」
ツッコミ「……あ、ごめん、聞き間違えたかも。“し”は?」
ボケ「シュガー」
ツッコミ「あああ聞き間違えてなかったあああ!やっぱりこいつはバカだったあああ!!」
ボケ「失礼なやつだな」
ツッコミ「いやだってさっき砂糖って言ったばっかりじゃん!!なんで英語でわざわざ言い直さなきゃいけないわけ!?!?」
ボケ「世界共通で大切ってことだろ」
ツッコミ「はあ…このままだと俺のツッコミが保たない気がするから、先に全部聞いちゃおう……。“す”は?」
ボケ「スカル」
ツッコミ「は?なんで頭蓋骨?」
ボケ「いやお前知らないの?ヘブライ語で砂糖って意味だよ。」
ツッコミ「なんでお前はヘブライ語知ってんだよ…」
ボケ「ぐろーばるな人間だからな。」
ツッコミ「発音の悪さよ…。てか、また砂糖じゃねえか!」
ボケ「大切だからな。」
ツッコミ「はあ…展開が読めたけど…“せ”は?」
ボケ「背脂」
ツッコミ「唐突!そこは砂糖の流れだろ!」
ボケ「いや砂糖だけじゃ甘いものしか作れないじゃん。」
ツッコミ「急に正論!ってか背脂だけじゃ味変わらないだろ!」
ボケ「流石のお前も驚きを隠せないようだな。」(ドヤ顔)
ツッコミ「お前の常識のなさにな。...で、“そ” は?」
ボケ「その他の調味料はお好みで。」
ツッコミ「俺は塩っけが欲しい。」
ボケ「お好みでどうぞ。」
ツッコミ「はあ...。まあお前が太った理由はわかったよ。砂糖と背脂メインの食事ばっかり食べてたらなあ。」
ボケ「いや、俺はこれ使ってないぞ?」
ツッコミ「え」
ボケ「こんなん使うより、砂糖、塩、酢、醤油、味噌を使う方が美味しい和食ができる。」
ツッコミ「それが、“料理のさしすせそ” !!!!!」
二人「どうもありがとうございました〜。」
お読みくださりありがとうございました!