二章 45冊目 白と共に
オーメリスの事件が表に出ることはない。
ショウはオーメリス城の廊下をフィアとノロと共に歩いていた。
ノロはフィアに抱えられている。
リーエは朝のためベッドで眠り込んでいる。
すると、ショウ達の前に現れた純白のメイド服を身に纏うロネイは突然、懇願してきた。
「……着いてきたい?」
「はいっ! こんな悪魔でもショウ様のお役にたちたいですっ!」
白い悪魔。その真っ白な姿から名付けられロネイの異名は、異名以上にその実力がある。
それを身をもってショウは体験していたから知っている。
「いいけど、仕事は?」
ロネイはオーメリスの事件解決の功績によりしばらくの間、休暇をシーラー王から貰ったらしい。
「――というわけで、大丈夫です」
「ふーん。なら<1つには1つ>だ」
それはロネイの真骨頂。
着いてきたいのなら、こちらからも一つ条件があった。
「なんでしょう?」
「剣術をこれからも教えてくれ」
「はい、よろこんで!」
ロネイは笑顔でそう答えた。
新たなメイドを引き連れ、今からオーメリス王、王子。シキとトハクに旅立ちの報告をしに行く。あとナナイにも。
玉座にいる二人の子供は、やはり王にしては小さいが、気品というもの、度量というものは備わって見えた。
「お気をつけて」
「ありがとうございました、みなさん」
「また来いよ、ショウ」
オーメリスはこれから変わっていくだろう。
まず最初に夜のコロシアムは廃止された。
それがこの国にとっていいことなのは確かだったが、夜のコロシアムの戦士たちは野に放たれたということも確かな事実としてあった。
特に<ケレベス>は、あれから姿どころか、魔力すら感じ取れなかった。もうこの国にはいないのだろう。
そして、<魔族>。特に<魔人>との脅威とこれから戦っていくことになる。
それは運命であり、必然。<魔王>による進行を防ぐためにオーメリスは力をつけなければならない。だが、それに対抗する術をシキたちは持ち合わせている。
だから心配はしていない。
ショウもその時が来るまで、今は力を身につけるため、この世界を知るため、記憶の欠片の謎を知るために。
ショウの、ショウ達の歩みはこれからも続いて行く。
賭けに溢れたこの国から、また新たな物語を目指して。




