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恋と、願いと、ドキドキと―――

作者: 観月 穂張

バレンタインデー

 それは、ドキドキが溢れ、願いが飛び交う、恋のイベント。

 今日は、そんなバレンタインデーの前日です。


 私には好きな人がいます。

 特別顔が良いというわけでなく、何か誇れる特技があるわけでもない。

 でも、私にとって彼は、この世で一番素敵な人なのです。

 そんな彼に、初めてチョコレートを渡そうと思っている今日この頃。

 いよいよ翌日に迫ったバレンタインデーで手作りのチョコレートを渡すべく、

 今私はチョコレート作りに精を出している真っ最中です。


「まずは……チョコを溶かして、っと………」


 私は今まで、チョコレートを男の子に渡したことがありません。

 いいな、と思う人はいても、果たしてそれが恋なのかどうかが分かりませんでした。

 周りの友達が次々に恋を実らせる傍らで、その光景をじっと眺めているだけでした。


「型に入れて、冷やす………」


 それが恋だと、そう確信できる日なんて来るのかな………

 そう思っていた矢先、彼は私の前に現れました。


 その日私は、廊下で派手に転んでしまいました。

 周りを歩く人達は、速度を緩め私を見ると顔を反らし、ふっと笑って再び歩を進めていきました。

 私は恥ずかしくて恥ずかしくて、瞳に涙が滲んでしまいました。

 そんな時、ただ一人彼は私にそっと微笑み、大丈夫?と言って手を差し伸べてくれたのです。

 彼からすれば、一日も経てばすぐに忘れてしまうような些細なことだったでしょう。

 でも私は、どうしようもないくらい嬉しくて、底に沈んでいた私を救ってくれた彼に、恋をしました。


「できた………!」


 私は明日、彼にチョコレートを渡します。

 ドキドキと、願いと、恋を込めて―――


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