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三秒前と、お別れしよう  作者: 優衣羽
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君がいる事で


髪の毛を切ると気分が晴れやかになるのは何故だろう




タイムリーな話をしよう。今日髪の毛を切った。しかもかなり短めに。別に伸ばしてたわけじゃないんだけど、いい加減スッキリしたいなあと思って切った。特に大きな理由も無いけれど、どうせ伸びるのが早いから思いきりも早いんだろうなと下らない事を思う。


髪の毛を切ると気分が晴れやかになるのは何故だろう。新しい自分になれたような気になるからか。知らぬ間に背負っていたものを投げ出したような気になるからか。理由はよく分からないけれど、昨日の自分よりも数グラムだけ軽くなったからなんだろうな。人は数グラムで気持ちが変わる事が出来るんだ。


新しい事をしようと思った。新しい事が出来ると思った。それは偶然じゃなく必然に。まだ頑張れると思った。これからも辛いことだらけだろうけど、まだ耐えられると思っている。いつか君が受け止めてくれるまで前に進もうと思った。何かの節目はいつもこうだ。僕は新しい何かと向き合うように出来ている。


最近、昔の友人と連絡を取る事が増えた。懐かしいものが部屋から出てきたり、意外な所から昔を思い出したり、誕生日を前に過去を振り返させられている気がした。それも強制的に。それが何を意味するかは分からないけれど、先に繋がれば良いと思う。



どんなに過去を思い出して浸っても、もう二度と戻れない事を、僕は知っている。

先は僕が作らなくちゃいけない事も、分かっている。

思い出は美しいけれど、助けてはくれない事もずっと理解していた。

縋っていたのは小さな反抗心からだ。

忘れたくなかった。消えて欲しくなかった。思い出すようにすれば、消える事を防げるから。ずっと変わらない事なんてどこにもないのに、そう信じていたかった。小さな小さな抵抗だ。


戻らない事にうじうじするのは止めよう。

過去は変えられないけど未来は変えられる。この先を変えていけばいい。いつか、引きずった想いが先の想いに帳消しされる日が来るように。


誰かに幸せにしてもらうんじゃなくて、僕の力で僕を幸せにすればいい。人に頼る前に自分で頑張らなきゃ。僕が欲しいのは、誰かに貰う一つの幸せじゃなくて、君がいる事で二倍になる幸せがいい。君がいる事で半分になる悲しみがいい。君がいる事で増える笑顔がいい。君がいる事で想える涙がいい。


また一歩前に進もう。未来を変えるために。


いつか、僕の言葉が遠くに届くまで。

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