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三秒前と、お別れしよう  作者: 優衣羽
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手紙


遠くの君へ









忙しくて中々更新出来なくてごめんね。気付けば十日も経っていました。書く事がなかったとかそんな事じゃなかったけれど、単純に忙しかったのとPCの調子がすこぶる悪かったんだ。再起動の画面で永遠に止まり続けたりされて動かせなかったんだ。今はもう解決したから大丈夫だと思いたいけど、皆も電子機器は気を付けてね。自分から不調を訴える前に症状を起こすからね。



さて、全く関係ない話をするんだけど、僕は手紙が好きだ。

それは仲の良い子同士で渡し合うものじゃなくて、もっと遠くの地からやってくるものだ。着いた頃にはもうずっと時間が経ってしまったそれを、どうしようもないくらい恋しくてたまらない。

歴史上の人物が誰かに宛てた手紙は、現代で重要に保護されているけれど本人たちからすればとんでもないプライバシーの侵害なのだと思う。

それでも、手紙というものはいいものだと思う。中々書く機会に恵まれないが、文明の発達に置いて行かれた今でも需要があるのは、誰かが待っているからなんだと思う。どこかでまだ、手紙の封を開ける瞬間が楽しみな人がいて、どこかでまだ、それに想いをしたためるのが好きな人がいるから。


もし、色んな人に手紙が送れる状況になったらどうだろう。迷わず返事を返すだろうな。それがどんなに短いものであれ、メッセージカードだけでも構わないから、返すんだろうなと思う。想いにはそれ相応の想いで返すべきだ。


メッセージが送れるようになって、想いは軽いものへと進化した。返事を返さなくても相手の近況は分かるようになったし、下らない一言のやり取りが出来るようになったから、距離なんて気にせずにしゃべれるようになった。けれど、大事にしまっていた気持ちは言えないままだ。


結局、僕らは酷く臆病だから、手紙で想いを伝えて返事が返ってくるのを待つのも、メッセージを送って相手が既読になった瞬間も恐ろしく怖いんだと思う。けれど僕から見れば、メッセージで想いを伝える人たちは凄い勇気の持ち主だなと思う。だって、この時代で、一瞬で返事が返ってくる時代で、大事な事を口にするなんて答えがすぐ分かってしまうだろう。はいもいいえも一瞬だ。君が振られるまでの時間は数秒後かも知れない。そんな事恐れ多くて出来ないよな。

冗談だよって言えるかもしれない。想いが軽くなった時代にそうやって誤魔化してきた人も多いはずだ。けれど、それじゃあ一生届くはずもないのだ。


僕はやっぱり、一文字一文字相手の事を想って送られた物の方が嬉しいなと思いながら、今日もパソコンでこれを書いているのは飛んだ矛盾なのかもね。

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