3月
また新しい一歩を踏み出す
自分の人生を変える決断をするのは、いつだって三月だ。それはこのシーズンが出逢いと別れのシーズンだからというわけでは無くて。単純に。空き時間が出来るから、暖かな陽気に誘われて、新しい事を思いつくんだと思う。今年も去年も、何もかも。
365日を書いた日も、ちょうど、こんな暖かな日だったと思う。陽の光が差し込んで、日中でも電気をつけない白い部屋の中。
小さな勇気を振り絞って書き始めた。それが今に繋がっているのだと言うのだから、何だか不思議な気分だ。
自分がやりたい事を、周りにその道を歩んでいる人がいないから。未知の世界だから。何も分からないから。そんな理由で諦めるのはとてももったいない事だと思う。だってその世界に入れば、自分の知らない才能が潜んでいるかもしれないから。
自分は何も出来ないんだと思っていた。どこにでもいる一般人で、誰かを感動させる事も、恋しいと思わせる事も出来ない、下らないただの人間だと思っていた。
今でも、その認識は変わっていないと思う。私は残念な事にただの人間だし、突出した才能も持ち合わせてはいない。
けど、自分の感情に正直だ。
一度踏み出して歓声を味わった。自分の事をだれ一人知らない世界に行った。悲しいんじゃなくて、心が踊った。
だって誰も自分の事を知らないのだ。ここから何でも始められる。過去に囚われる事も、現実の自分に囚われる事も無い。思い通りに好きな事が出来る。やがてこの世界で、私の名が知れ渡る瞬間に会えるかもしれない。
そんな事を思った。
だから、三月は始まりでもあり、終わりでもある。幾度の季節が過ぎようとも、この一ヶ月が私の人生を変えてきたのだ。
八畳の地球から、世界へ。
誰もやった事のない事をやりに行こう。
そこに賛同者がいなくても。自分が楽しければそれでいい。
自分が楽しいと思わないのに、他人が心から楽しんでくれるなんて有り得ないでしょう。
だから今日も書くのだ。
自分が輝ける、一番の簡単な方法だから。




