表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
三秒前と、お別れしよう  作者: 優衣羽
38/234

強くない


傷付かない人間なんていない















忙しい日々を送っている。どれくらい忙しいかって、人生で最高かもしれないくらいに。スケジュールの穴が全て埋まるくらい。そんな日々を過ごしている。

けれどそれを理由に更新しないなんてことはしたくない。それは甘えだ。どんな状況でも、待っていてくれる人の為に書く事が、今の自分の生きがいだと思っている。そう、たとえこの文章が、突然の事故により消えてしまい、再び書いているものだとしても。


スケジュールの穴が埋まるのが楽しいと思ってしまう自分がいる。だって一年前まではこんな事なかった。友人との外出も、仕事も、やらなくてはいけない事も、何もなかった。あったはずだったけれど、スケジュールは穴ばっかりだった。何でかって、書かなくても憶えていられる範囲だったからだ。もう、その許容量を越している。


やりたい事がやらなくてはいけない事に変わった時、それは大きな大きな転機になる。周りが全て変わってしまうくらいに、大きな変化。それは嬉しい事だけれど、怖い事でもあるし大変でもある。けれど、待ってくれる人がいる限り、私はこの手で文字を打ち込むのだろう。



そんなこんなで忙しない日々の中、ストレスはやっぱり溜まるわけで。

愛しい誰かの首筋に顔をうずめて、頭を何度も横に振り声を上げながら抱きしめて欲しいくらいに。


「貴方は悩みがなさそうで羨ましいね」


この言葉をよく言われる。ついこの前も言われた。腐った人間の吐く、腐った言葉。


悩みがない人間なんていない。傷つかない人間なんていない。

僕だって泣くんだよと、心の中で誰か叫ぶ。

人間が人間である限り、悩みや不安、傷つかない世界が来る事はないだろう。僕らは誰かを傷つけながら生きているから。


でもね、言わせてくれ。今、君が見ている僕は綺麗に取り繕っただけの僕だと。君に悩みや不安を吐露するほど、君の事を信用していないだけだと。むしろこの先関わる事はないだろうから、君の前では笑っているだけだと。


よく笑う。色んな意味で。根本が愉快な人間だからという事もあるけれど、それ以上に、笑顔は感情を隠す一番の武器だ。笑っていれば済む事が沢山ある。あと、笑っていた方が世の中上手く行くから。頭の悪い子を演じた方が、人間は自分より下を哀れむから楽に生きられる。でも、僕は君の事をどうしようもないやつだって思っているよ。


悩みがなさそうなんて言うやつには「お前こそ悩みなさそうで羨ましい」って返してやれ。きっとそいつは楽観的で能天気で脳みそスポンジだから。水を含んでも膨らまないスポンジだから。

こういう事を簡単に言う人間は、言われた瞬間静かになるか被害者面する。自分は誰かを傷つけてきたくせに、傷つけられずに守られてきたからだ。

僕は基本捻じ曲がっているから、堕ちる所までゆっくりと時間をかけて堕ちて欲しいと思う。絶望に直面して、二度と這い上がってこれないくらいに傷つけば良いと思っている。


沢山の人を傷つけた。大切な人を傷つけた。だから、傷つけないように気を付けた。

言葉遣いを直して、二度と、不意に君を傷つけないように。傷つけたままのくせに。

けれど故意に傷つける事もある。そういった相手は、自分に敵意を向けてきた相手だけだ。やはり、目には目を歯には歯を。同じように傷つけばいい。


僕を強い人間だと言った君達へ。強い人間なんてどこにもいないよ。君はそれを言う事によって、自分は弱者だと酔っているだけだ。僕は強いわけじゃない。これからの人生、きっと関わる事のない君相手にどうなったっていいからだ。ただ、君に興味がないだけだ。だから、君の言葉は何一つ響かない。君は僕のこんな部分に一生気付かない。気付かないまま、能天気に生きていればいい。


そうやって誰かに依存して、誰かを傷つけて被害者面する人間が一番強いと、僕はそう思うよ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ