表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
三秒前と、お別れしよう  作者: 優衣羽
26/234

選択すること

良い事と悪い事って同時にやってくる











何かを得る為には、それと同等の対価が必要だと述べていたあの漫画がどうしようもなく好きだった。現代から程遠い場所にいるのにも関わらず、人間の核心をついたようなお話だったから。

最後の最後に、足は戻らない所も好きだ。片腕は鋼の義手ではなくなるけれど、足だけはそのまま。あれは自分たちが犯した過ちを、傷痕を、全ては拭い去れないのだと言っているような気がする。それを抱えて、先へ進むのだと。勝手に解釈している。でも、間違いではないと思う。


良い事と悪い事って同時にやってくる確率が高い。だからこそ、何かを得る為には同等の対価が必要だと言ったのだと思う。

そんなこんなで、新しい世界へ行くためのチャンスとショッキングな出来事は一緒にやってきた。詳しくはまだ話せないし、会話が成立したわけでもないのでお話しする事は出来ないが、このチャンスを投げるほど、私は馬鹿でも無ければ保守派でもなく老いてもいない。何事も最低最悪の事態を想定して動くから、それが起きた時のダメージはかなり少ない。ほら、やっぱそうなったやん。って言える。でも基本は何とかなる精神だから、それでここまで生きてきた。

前向きと言われればそうだろう。ポジティブな方だと思う。人前では。自分の欲求に素直だし、いつも笑ってボケをかましてる。だが、自分が変わる選択をする時は話が別で。ある程度の足場を作ってからじゃない限りは動かない。人間関係にもそう言えるけれど。

だから割と疑い深い。何度も会った事がある人でさえ大体信じてない。表の自分しか見ていない人間を、信じるに足る人物か判別するのは難しい。悪意があるわけでも無ければ、申し訳ないとも思っている。信じられなくてごめんねって。だけど、それとこれとは話が別だ。


新しい世界へは飛び込むつもりだし、不安だって沢山ある。けれど、一歩踏み出す足さえあれば充分だ。私はその勇気を持っている。

この先の人生はまだ長い。色々な世界を見るだろう。色々な人に出会うだろう。色々な価値観とぶつかるだろう。知的探求心が高い自分にとって、飛び込まない選択肢はもうどこにもないのだ。ここで失敗しても、リカバリーできる時間を、私は持っているから。


そんなこんなで、良い事があると決まって悪い事が起きる。まさか成人してまで実家の鍵を紛失して親に怒られるとは思わなかった。今年一番の失敗談と言っても良いだろう。しかも家族の鍵を全とっかえしないといけないパターン。費用は勿論出しますすみませんと、本気で申し訳ないと思った。最近よく謝ってるけれど、まさかこんなドジを踏むとは。さらに鍵を紛失するのは人生で二回目だ。私は将来、スペアキーを誰か信頼できる人に渡しておいた方がいいのかもしれない。家に入れない。無理。幸いなのが、その鍵が明日来る事だ。本当にすみません。平謝りします。とても反省してます。

そしてタイミングの悪い事に風邪の兆候。昔からそうだけれど、大きな運気を掴む代わりに人間として大事なものを失っている気がする。気のせいであればよいのに。


いつか。漫画のように大きな選択をする日が来るのだろうか。世界を選ぶか恋人を選ぶかって。そんな理不尽な選択。

恋人を選んだら世界は滅亡するから結局二人とも破滅だし、世界を選んで救っても一番助けたかった人はいない。この選択、自分だったら世界を選ぶと思う。恋人を犠牲に世界の皆を救って、君のいない世界で生きていたくはないから自ら命を絶つと思う。ずっと一緒だなんて、そんな事も思えない。死んでいきつく先が一緒だとは思えないから。ただ、君のいない世界に居場所なんて感じられないから、自分の為に死ぬだろう。


例えば。仕事を捨てるか。愛を捨てるかだったらどうだろう。そちらの方が悩むかもしれない。より現実的だから。この人と付き合っていたいなら仕事を辞めなさい。仕事を辞めたくないなら愛を捨てなさい。これはかなり難しいと思う。答えなんて簡単に出せない。その愛が永遠に続くのかにもよるかもしれないけれど。私は欲張りで、どちらとも手に入れたい人間だからどうするのだろう。今の自分では答えが出せない問だ。


人生には選択肢と分岐点が沢山ある。その全てが正解であり、間違いだと、そう思っている。ただ、選んだ後に、全うした後にあの時もしもとは言いたくないから、自分のやらかした事も全て受け入れて、新しい一歩を踏み出すのだろう。



君は世界と愛、どちらを選ぶ?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ