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三秒前と、お別れしよう  作者: 優衣羽
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死にたいなんて


死にたいなんて













死にたいと思った事がある。それでも死ななかったからここにいる。今、この文を書いている。

死にたいと思った事が無い人間なんてこの世にいるのだろうか?もしいるのなら聞きたい。君はどうやって生きてきた?どうして絶望しなかった?そんなに人生楽しいか?君はもしかしたら人間じゃないのかもしれないなんて。


それでも実行に移してしまう人はいる。もう少し生きたら良い事が待ってたかもしれないのに。

けれど、そう思えなかったから実行してしまったのだろう。ある意味凄いよ。僕にそんな勇気はない。

どちらも出来ないまま、なあなあな日々を過ごして、死んだように生きていた。そんな時もありました。

痛いのは嫌いだし、辛いのも嫌だし、そしたらもう諦めて息をするしかないのかなって思った。たとえ数年後、同じ思いをしていたとしても。結局動くほどの労力すらなかった。でも、それで良かったと思っている。じゃなきゃ今はないから。


どうしようもない絶望を繰り返しても、どうか死ぬ前に一度だけ考え直してほしい。君の存在は、すぐに消え去ってしまうものだと。例えばいじめた誰かに呪いをかけるつもりだったとしても、そいつは生き続けてしまう。君の事を思い出すけれど、笑うかもしれない。あいつ、本当に死にやがった、ないわ、気持ち悪いなんて言うかもしれない。そしたら生きている間にそいつを地に落とす方がよっぽどいいと思う。死ぬよりも、生き続ける事の方がある意味地獄だから。


自殺はいけない事だとは思わない。こんな事を言えば、批判が殺到するかもしれないけれど、それでも。自分の命だ。終わりは自分で決めていいと思うから。けれど、とても悲しい事だから推奨はしない。

誰も悲しまないって思うかもしれないけれど、悲しんでくれる人は意外といる。何なら僕が悲しむ。生きている間に君と話をしてみたかったと思う。君という人間が考えていた事を、もう誰にも伝えられないのが悲しい。君という人間が紡いだ物語が、こんな所で破り捨てられるのも。


沢山傷ついたし沢山傷つけてきた。僕も自分が被害者であり加害者でもあると思う。でもそれって、生きている人間皆そうだと思う。


死にたいなんてそんな事言わないで。頑張って生きようよ。きっと良い事あるよ!

そんな事を言う人間がいたら、ふざけんなカスって言っていいと思う。それでも断ち切れない事ってある。お前は私の何を知ってそれを言うんだって思う。調子乗んなって思う。もうボロカス言ってやりたい。ぼろ雑巾のようにしてやりたい。綺麗事言ってんじゃねぇって。


頑張って生きてても報われない事だってあるし、良い事が沢山あるかと言われたらそんな事も無いと思う。ない。生きてるのはある意味地獄だから。ない。


でも死ぬ前に聞きたい。どんな絶望的状況でも、何か心残りはあるかって。

それが両親に迷惑がかかるからとかじゃなくて。明日発売のコンビニスイーツ食べてないとか、あの漫画の続き読んでないとか、そういえば今季アニメ見てないとか。もうそういうくだらない事でいい。何なら今死んだら部屋の日記帳見られるとか。黒歴史発掘されるとか。もうそういうくだらない事。どうでもいい事。


死ぬのは明日コンビニスイーツ食べてからにしよって思う。次の日買って帰る。食べる。そしたら意外にも死にたくなくなってる。それを毎日続けたらいつの間にか大人になっている。人生ってそういう事の繰り返しだ。


自分が嫌になって死んでしまいたいと嘆いて、涙を流した冬の夜。

ひとしきり泣いても、朝は来てしまった。時間は待ってくれない。けれど夜も続かない。

どれだけ辛くても、地球が滅びるまでは太陽が昇ってしまうから。明日が来てしまうから。もし、夜が明け続けなかったら、僕はあの時死んでいただろう。干からびたミイラのように、布団から発見されていただろう。でもそんな日は来ない。


君が死んだら僕は悲しいよ。共にこの地獄を歩いてくれる同胞を亡くすんだから。悲しいに決まってるよ。君がそのうち誰かの記憶から消え去るのが。だから、もう少しだけ待っていて欲しい。まだ死なないでくれ。残りのお金でハーゲンダッツでも買って家に帰ってくれ。僕はまだ、君と繋がっていたいんだ。

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