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三秒前と、お別れしよう  作者: 優衣羽
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この考えが嫌いだ


愛は鋭い毒になる













好きな芸能人はいるか。アイドルは?俳優さん、芸人さん、テレビの中ニュースを読み上げるアナウンサー?それとも憧れのあの先輩?

何だっていいけれど、彼らと僕らは同じ人間だ。世間的に認知されているか否かの違いだけ。彼らと僕らは同じ人間だ。同じ世界に生きているとは思えないけれど。

だから恋だってするし嫌いな人間だっているし、どうしようもなくムカついて、自分が嫌になって、誰かのちょっとした言葉に深く傷つく。僕らと同じだ。それなのに、どうして君達はそんな彼らを攻撃するんだろう。


夢と現実の境目がまだ見えていないのか。それとも彼らが人間ではない、他の何かだと思っているのか。もっと崇高で気高くて、神様みたいな存在だと思っている人間がいるのなら、僕は彼らの事を笑おう。片腹痛いと言いながら笑おう。自分の事を棚に上げて笑おう。


人間だ。人間なんだ。だから好きに恋愛したって良いだろう。好きに結婚したって良いだろう。誰と仲良くしたって良いだろう。君達は神様にでもなったつもりか?彼らの行動を思い通りにしたいが為に、人間である事を捨てたのか。


芸能人のゴシップに食いついて非難する人間が嫌いだ。人の不幸を嘲笑って文句を言うだけしか能がない人間が嫌いだ。自分がやられたら文句言うくせに。悲劇のヒロイン振るくせに。本当にその人を応援してるなら、どんな相手と結ばれようが応援し続けてやれよ。幸せになれって言ってやれよ。どうしてあの子なのなんて言うなよ。君達は知り合いでも無いんだぞ。相手と友達なわけでも無いんだぞ。

それが君の友人であったなら、文句は言っても良いと思う。だって納得いかないだろうから。相手が悪い奴だったら尚更。けれど、応援していた人の好きになった人くらい、大事にしてやれよ。君が憧れた人間が好きになった人なんだぞ。良い人に決まってんだろ。


ネットワークが広がって、顔も知らない知り合いが増えた。会った事のない人と話せるようになった。世界は小さな端末の中にある。


だからこそ、言葉は刃になる。相手の事を知らないから、自分の顔も個人情報もばれないから、平気で誰かに酷い事を言う。自分が言われたら泣くくせに。いじめられたなんて言うくせに。じゃあ君が放ったその言葉はなんだよ。相手が言わないだけで人権に関わるだろ。自由を侵害してるだろ。


何かにはまる事は良い事だと思う。誰かに憧れるのも、それだけで世界が輝くから。

けれど僕らは大事なものを落としすぎた。言葉は刃になって毒になる事を、誰も注意しないから。いくらでも言っていいのだと勘違いするようになった。


頼むから、祝福くらいしてやれよ。自分が同じ立場でも、同じ事を言うと思うよ。祝福くらいしてくれたっていいだろって。君の憧れた人が好きになった人なんだから、君の憧れた人よりよっぽど素敵な人だよって。


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