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チトタビ〜チートで気ままなぶらり旅〜  作者: Amakudari
第01章-旅の始まり
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第01章03話

第01章03話



——前回のあらすじ——


聖那(セレナ)の正体は『神』だった!

さらに鳳舞(フウマ)は半神という事実が明らかになる。

聖那は鳳舞・(リョウ)(レイ)(リン)に異世界に行ってもらうことを告げる。

4人は眩い光に包まれ地球から消えるのであった。


———————————


「せ、成功ですわ!」


「「「おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉお!」」」


光が消えるとそこは広い部屋で、派手なドレスに身を包んだ金髪の少女と分厚い鎧を身にまとった兵士と思われる者達が多数いた。


「勇者様!ようこそおいでくださいました。我々、エルテリア王国はあなた方4名を歓迎いたしますわ!」


その少女はやや興奮気味にまくし立てる。


「あ〜、ごめん、俺たち5人だわ。」


「へっ?1人、2人、3人、4人...ご、5人。」


金髪の少女は鳳舞・亮・黎・鈴を指さしていき最後に幼女に指を向けた。ぶっちゃけ聖那である。


「なぁ鳳舞よ、なぜ(ワラワ)がここにおるのじゃ?」


聖那は鳳舞に問いかける。


「さぁ?」


鳳舞は両手をあげて首を振る。


「ま、誠に申し訳ございません!」


すると何を思ったかドレスの少女が勢いよく頭を下げる。


「ほら、この人もこんなに反省してるわけだし許してあげなよ。」


鳳舞は笑いをこらえながら言葉を紡ぐ。


「違う、そうじゃない!」


「はっ!頭を下げるだけではお怒りが収まるわけもございませんでしたわ!そうです、(ワタクシ)の命を持って償いをっ!」


聖那は鳳舞に言ったつもりだったのだが、少女は自分に言われたと思い命を絶とうとする。


「そ、そうでもないわい!許す、許すから少し落ち着くのじゃ!」


聖那は慌ててそれを止める。


「賀鷺くんも調子に乗りすぎです。」


「つい面白くって。」


鈴に咎められる鳳舞だったがこっちは全く悪びれる様子は無かった。


「さて、そこのお嬢さん、貴女(アナタ)のお名前をよければ自分達に教えてくれないか?」


亮は亮でドレスの少女に名前を尋ねる。

言っていることはナンパと変わりないがイケメンだけに栄える。


「わ、私はメイア・エルテリアですわ。先程は取り乱してしまいました。以後お見知りおきを。」


金髪少女改めてメイアは指の先でドレスを摘むと優雅に一礼を決める。


「俺は青城...じゃなくて、リョウ・アオキ。んでコイツが親友のフウマ・カサギ。」


「私はレイ・コミヤ。」


「私はリン・マヤ。亮くんと鈴ちゃんは私の幼馴染みです。それからそこの女の子は聖那ちゃん...じゃなくてセレナ・カサギ。背の高い方の賀鷺くんは聖那ちゃんのお兄さんです!」


それぞれ自己紹介をしていくメンバー達。

鈴はニヤニヤしながら鳳舞の方を見ている。


「真屋っ!覚えてろよ...。」


「さぁ?」


恨めしそうに鳳舞が鈴を見るが、くしくも彼が先程やったように両手をあげて首を振られるだけであった。


「それでは皆様、先ずコチラの勝手な事情で強制的に元の世界からお連れいたしたこと、心からお詫び申し上げます!」


メイアは再び頭を下げる。

もし聖那に事情を聞いていなければ急に何を言っているのかと思うような言葉だったが、彼女も必死なのだろう。


「別にいいっすよ。それと訂正しとくと、俺達は来たくてこの世界に来たんだ。詳しくは知らないけど、困ってるなら手を貸すぜ。」


亮は打ち合わせもなしに勝手に手助けを申し出た。

それに対して鳳舞達同級生組は、


「亮のやつ、あのお嬢さんに惚れたな。」


「ええ、間違えなく惚れたわね。」


「物の見事に惚れましたね。」


と、特に気にするでもなく考察していた。

ちなみにあと一人いる地球からの来訪者はというと


「あの時確かに童は神界に戻ったはず...なぜこちらの世界に来ておるのじゃ...。」


こんな感じでブツブツと何か言いながら頭を抱えている。


「それでは先ず我が国の国王にお会いになって頂きますわ。」


そう言い背を向けるメイアを追って鳳舞達もまた部屋を出ていくのであった。


〜☆-☆-☆-☆-☆〜


「よくぞ来てくれた!」


召喚された部屋を出て少し歩くと大層な装飾がされた、いかにもな部屋の扉があった。

それを開けるとレッドカーペットが敷かれてあり、その先に続くのは冠を被り髭を長く伸ばしている男が座る椅子である。

その男は鳳舞一行を見ると椅子から立ち上がり万遍の笑みで言葉を発した。


「鳳舞、お前が話をしろよ!」


「賀鷺くんなら大丈夫です!」


「賀鷺、安心しろ骨は拾ってやる。」


「こ、ここは任せたのじゃ!」


一方、彼らはというと鳳舞を生け贄にしようとしていた。

何故なら、その部屋にはレッドカーペットの両脇に槍や剣を持った鎧の男達が鋭い眼光で立っているからだ。その目で兵士達は「少しでも無礼があれば切る!!」と言外に語っていた。


「ったくしゃーないな。」


ビビりまくりの友人をよそに鳳舞だけは通常運転だったのは間違いなく3人にとって救いだっただろう。


「私は、この度メイア様によりエルテリア王国に召喚されましたフウマと申します。また、私の後ろにいる者達はそれぞれリョウ、リン、レイ、セレナという名です。以後お見知りおきを。」


彼は淀みない口調でスラスラと自己紹介をした。


「儂はエルバ・エルテリアと言う。この国の王をしておる。」


髭の男もまた自己紹介をする。


「それにしても随分と礼儀正しいのだな。儂としてはもっと態度を崩してくれても良いのだが?」


エルバは兵士達を睨みながらそう言った。察するに「この場は無礼講であるので余計な口出しをするなよ」と言いたいのだろう。


「いえいえ、一国の王である方に失礼な態度などとれようはずもございません。どうぞお気になさらず。」


対して鳳舞は態度を改めることはしなかった。彼は人にAをしろと言われたらわざとB...もといZをやる男だ。


「む、なかなかいい性格をしておるの。まぁよい。ではまず、(メイア)から既に聞いておるかもしれんが主らを呼んだ理由から話そう。」


亮のナンパによってあの場ではほとんど話を聞けていなかったので二度手間を踏むことはなかった。結果オーライである。


「先に言ってしまうが、主達には魔族と戦ってもらいたいと考えておる。」


「魔族?」


聞き慣れぬ言葉に反応したのは黎であった。


「主の世界にはいなかったのか?翼がはえていたり、下半身が蛇だったりと色々な種類がおるが、共通しておる点は生まれながらにして戦闘力が高く総じて凶暴な性格であるということだ。」


「そんな生き物が...。」


地球ではありえない進化を遂げた生物なのだろう。


「そして今、その魔族の頭である『魔王』が兵を集めて戦争を起こそうとする動きがある。」


余りにもテンプレな展開に若干呆れる鳳舞であったが、それを顔に出すことはなかった。


「しかし、そう言われましても我々には戦う手段がございません。」


その先の展開を予想しつつも言葉を紡ぐ。


「安心せい、異世界からこちらの世界に来れるほどの強い魂を持つ者達。おのずと我々には想像もつかん才能を秘めておるだろう。心の中で『ステータス』と唱えてみるとよい。」


王の言葉に頷き、召喚された者達は言われた通りに行動を起こす。


「「「「「―ステータス―」」」」」


すると眼前に半透明の板が現れた。


―ステータス―

名前:フウマ・カサギ

種族:半神(人)族

性別:男

年齢:17歳

魔力:∞(無限)

技能:神術(5/10)・異言語理解

適正:暗闇・空間・重力・飛行

称号:訪問者・??

―――――


―ステータス―

名前:リョウ・アオキ

種族:人族

性別:男

年齢:16歳

魔力:499,999/500,000

技能:限界突破・良方補正・異言語理解

適正:明光

称号:訪問者・勇者

―――――


―ステータス―

名前:レイ・コミヤ

種族:人族

性別:女

年齢:16歳

魔力:99,999/100,000

技能:武具適性・魔法無効・異言語理解

適正:強化

称号:訪問者・侍

―――――


―ステータス―

名前:リン・マヤ

種族:人族

性別:女

年齢:17歳

魔力:9,999,999/10,000,000

技能:無詠唱・並列思考・異言語理解

適正:火炎・水氷・風雷・土木・治癒

称号:訪問者・魔導師

―――――


―ステータス―

名前:セレナ・カサギ

種族:神族

性別:女

年齢:非表示

魔力:∞(無限)

技能:神術(10/10)・異言語理解

適正:空間・重力・飛行

称号:訪問者・女神

―――――


5人の板にはそれぞれこのように表示されまていた。


「良ければ結果を教えてくれんか?」


どうやら板は自分の分しか見ることが出来ないらしい。


「失礼を承知で言いますがお断りさせていただきます。いくら一国の王といえど簡単に手の内を晒すわけにはいきませんから。」


鳳舞はエルバの頼みを拒否した。


「確かにそうだな。これは儂が軽率であった。」


エルバは深く頷きあっさりと引き下がる。


「では話を続けるとしよう。魔王が戦争の構えを―――」

「ぐぅ〜〜〜〜......あ、すんません。」


王の言葉を遮った者は亮の空腹を知らせる音であった。


「続きは飯にしてからにするか。」


エルバは苦笑いを浮かべながらそう言った。


「ホントすんません!」


亮は必死に謝るのだった。突き刺さる冷たい目線を振り切るために...。

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