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アダリマ ①ジャムクラッカー
「それは美味なのか?」
アダリマからたずねられ、急いで飲み込む。
「はい、とても美味しいです……私なんかの為にありがとうございます」
これは本当に食べたことないくらい美味しいので嘘ではない。
「そんなに喜ぶことなのか?」
お菓子なんて一生に一度食べたことがあるかないかなのだ。
「お菓子を食べたことが、そもそもなくて……」
これで幸せな気持ちにならないはずがない。
「次代魔王の望みとあらば、毎日食わせてやる」
―――私の為なんて思い上がりだった。
それにこのお金は魔王と勇者がどこかの村を襲って得たものだ。
→《胸が苦しい》
《味わって食べよう》
《どうでもいい》