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【先の見えない上り階段】
手足が痛い。冷えた身体はどれだけ階段を登っても全く温まる気配はない。
なんでこんなことになったのか考える事も止めた。
先がどうなるのかわからない。希望があるのかないのかもわからない。
それでも、今は登るしかない。雲の上に出れると思い込むしかない。下からこの塔を見上げていたってきっとなにも変わらないと思うから。
彼は何してるかな、あの2人はあの子に迷惑をかけてないかな、
・・・誰か、僕を心配してるかな。
いまは、ただ登ろう、僕の力が続く限り。




