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土の126号  作者: はぐれSS
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【おんなじ二人?】

隣りのあの子ともなんとなくお互い慣れてきたと思っていたある日。


嵐は突然に舞い降りたんだ、珍しい光景を見たよ彼がたぶん慌ててるなんて。


朝、家の外が騒がしい、それはそれは騒がしかったんだ。



「んー、んー、やーやー、ワーワー」




ん、あっ。小さい彼が彼よりはちょっと大きいなにかを追いかけて、追い切れていない。初めは一つかと思ったけど、よく見ると同じ大きさのものが2つ。


家から出てみると、ちょうど隣りからあの子も出てきた。



「どうしたの」って聞かれても僕も教えてほしいくらいだ。


「わかんないけど、聞いてみようか」僕らはすごい勢いで交差する3つの影に向かって声をかけてみたんだ。



「ちょっと、どうしたのさ」


彼は止まったね。その隙を逃さなかったもう2つは彼になんか臭い実を、




どーん、どーんっと2つぶつけたみたい。うわぁ、この臭いは目にくる。




動いてた2つは2人だった。同じ姿の小さな小さな男の子。




「くちゃ」「くちゃ」


鼻を押さえてすっぽんぽんの2人は彼の周りをゆっくりグルグル回っている。


彼は微動だにしないけど、何とも言えない。




「こらっ」


あの子は臭くなってしまった彼を救い上げて泉まで行くと丁寧に臭い実を洗い流している。


僕もなにか拭くものを持っていこう。




すっぽんぽんの2人はすっかり動きを止めてしまったよ。




彼をあの子が洗って、僕が彼を拭く。



くんくん、なんか臭うな。



後ろを見るとさっきのすっぽんぽんが臭い実を自分達につけて近づいてきていた。






あの子は優しい顔と声で、臭い2人にこう言った。


「ちゃんと謝って、仲良くできる」




2人はお互いに見合って、彼にぺこりと頭を下げた。


彼は片手をあげて「んっ」と満足げに声をあげたんだ。



あの子は2人組も洗ってあげて、僕は2人も拭いてあげた。



彼の両側にはあの2人、その両側には僕とあの子。



なんか、賑やかになってきたなぁ、楽しいけどね。

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