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土の126号  作者: はぐれSS
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【白い段々はとても硬いらしい】

天気がいい、素晴らしく天気がいい。


眩しいくらいに家の前が白く輝いている・・・なんでもこもこしているのだろう。


外に出てみると雪かと思った一面には白い段々がたくさん置いてある。


『んーんーーんーん』


彼の声が響き、高く飛び上がった。


橙の実をどこから出しているのか解らないけれど、白い段々の上に凄い早さで投げている。




一面の白1色の中に橙の点がいっぱい。


『んーんー』足元に来た彼は僕にとても小さな橙を『ん』と言って渡してくる。


さすがの僕も今日は彼のやりたい事がわかる。




彼の頭に小さな橙をちょんと乗せる。



彼は誇らしげにいつもどおり胸をはって、橙を乗せた白い段々の群のほうを向く。



・・・・・・


・・・…・・・…


あれ、いつもなら「んーんーんー」って嬉しそうに声をあげる場面じゃないかなぁ。


……


彼は動かない。


『ねぇ、どうしたの…』


僕が声をかけるタイミングで風が起きた。


声をかけようとした彼は目の前から消えてしまう…あれ、橙の乗った白い段々の向こう側に小さな橙、彼だ。いつの間にあんなところへ。



ぴし、ぴしぴしぴし、ぴしっ…ピシぴしぴしぺしぴっしっ…



橙が乗った白い段々達が縦に割れていく…


『んーんーんー』


また足元に戻っていた彼が火を熾している。




あの白い段々はぷくーって膨れて彼がいつの間にか出していたいろんな物をつけて食べるとほっぺが伸びるくらいおいしい物だった。


え、彼はって。


伸びた白い物が顔に巻きついてなかなか取れないみたい。


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