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土の126号  作者: はぐれSS
39/61

【想う】

彼が佇んでいる。


身動き1つしない、誇らしげで儚げで、自信に満ち溢れているような、悲しそうな。



彼の立ち姿に、僕はいろいろな思いを投影してしまう。




彼は語らない、そしてカタッテイル。


存在のすべてで…




彼の前には道はないのだろう、そして彼の後ろにも道はないような気がする。




孤高…



それゆえの孤独…


僕は彼にとってどんな存在なのだろうか。




やはり、彼は語らない、それでもカタッテくれている。




『んー』


突然動き出す彼。



自分のおなかをペシッと叩き、両手を上げて。


『んーんーんー』


と言って森へ入っていく。




猪を引いて戻ってくる彼。





人の思いは見えないものだなぁ…


何を食べるか考えていただけだったなんて。



猪は鍋で煮て食べたよ。


彼が鍋に落ちて全身てかてかになったけどね。


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