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土の126号  作者: はぐれSS
38/61

【包まれる】

彼が葉っぱを持ってくる。


次から次へと持ってくる。


どこから持ってきたのか小さな小箱に入れている。あっ、一枚棄てた。



どうやら形が気に入らなかったらしい。




やがて小箱は葉っぱで一杯になった。


彼は箱をよじ登り、葉っぱの中に入っていく。


ゴソゴソゴソゴソゴソゴソ、時たま頭や、足や手が見える。




やがて彼は仰向けに箱の中央に寝そべっている。


包まれている彼はいつもと同じ顔をしているが満足気だ。





次の日、同じ小箱につるつるした丸っこい石を次から次へと運んでくる。


ゴリゴリゴリゴリゴリゴリ、昨日よりやや動き難そうだ。


彼は早々に箱から出てきた。


いまいちだったようだ。



石を一個ずつ、ペシッ、ペシッ、ペシッ…


最後の一個までペシ飛ばした。




僕も何かに包まれてみたいなって思った。


僕の身体を埋めるほどの葉っぱは用意できないし、とりあえず布団に潜ってゴソゴソして顔を出してみた…


普通に寝るときとそんなに変わらない…




ちょっと悲しくなった。



ペシペシ


『んー』


僕の肩をやさしく叩き、僕を外へ誘う。




大きな鳥をペシペシしながら


『んーんーんー』


両手を上げて、僕を見る。




僕は嬉しい気持ちで鳥を料理する。

彼の優しさに包まれているのが解ったから。


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