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【月を見上げて】
まんまるの月が出ている日は、不思議な明るさがある。
静かに月を見上げて、昼間より少し涼しい風を吸い込む。
仰向けに寝転がり視界には少しの雲と月…
お腹の横…上…
彼が僕の上で寝転がったみたい。
体がぽかぽか温かい。
彼が起き上がった。
いつものように踊っているみたい。
いつの間にか雲はなくなり月だけになった。
彼がお腹からぴょんと降りる。それは僕が起きる合図。
少し体が光っている彼と僕。
彼は両手を上げて…
『んーんーんー』
僕も両手を上げて。
『おーおーおー』
彼は僕の足をぺしぺしする。
『おやすみ、また明日ね』
『んー』
彼は地面へ潜り、僕は布団に潜った。




