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土の126号  作者: はぐれSS
35/61

【伝達】

朝起きる、顔を洗う、ご飯を食べる。


そして外に彼を見つける。


『お…』


あれ、何だろう、声が変になって上手く話せない。困ったな…



彼はいつの間にか僕の足元でいつものように薄い唇を突き出している。


のどに手を当てて口の前に手を交差してみる。


彼は少し頷き、『んー』と言って森へ歩いていく。


暫らくすると冷たい水を汲んできてくれた。そうか、のどが渇いたと思ったのか。


彼に頭を下げて汲んで来てくれた冷たい水を飲み干す。



僕は水の入っていた入れ物を指差してから両手をブンブン振って口だけを彼に向けて動かした。


彼は2回頷き、『んー』と嬉しそうに森の奥へ歩いていった。


暫らくすると、大きな鳥を引きずりながら足取り軽やかに帰ってきた。


そうか、手をばたばたしたことで鳥を表現、口を動かしたのを食べたいと思ったようだ。


彼に頭を下げて鳥を処理して焼いていく。薄く切って香りの強い草と一緒に蒸し焼きにしたりした。


彼は塩を強めに効かせた鳥の皮(いつもより大きめ)を口にくわえている。僕が目を逸らすと徐々に小さくなって、最後はエプロンみたいになっていた。




『どうしたら上手く伝わるのかな。おいしいね』


あ、声が出た。


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