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土の126号  作者: はぐれSS
32/61

【キングゲーム】

『キングオブキィーング』


僕は掛け声と共に小枝の束から1本引く…枝分かれは3つ。


彼も束から1本引く…枝分かれは2つ。



このゲームは枝分かれが多い方がキングになるという最近2人の間で流行っているゲームだ。

勝率は今のところ全部僕が勝っている。


彼は口を突き出したまま僕にぺこぺこ頭を下げている。


『キング指令。葉っぱで冠を作るのだ』『んー』


彼が蔓を編み、僕は形のいい葉っぱを集める。

彼が編んだわっかに僕が選んだ葉っぱをぺしぺしくっつけて、完成。



彼が僕の足をぺしぺしする。

いつもは1日1回だけれど、初めて以来一度も勝っていない彼はそろそろ勝ちたいのかもしれない。


『今日はもう一回やろう、一緒に引こうね。せーの、キングオブキィーング』


僕は4つ…


彼は………先っぽの方に細かい枝分かれが…おお、7つもある。


『凄いね。7つもあるよ』


7つも枝分かれがある小枝を誇らしげに掲げる彼に僕はぺこぺこ頭を下げる。


『んー』


いつもより張りのある「んー」だ。きっと、キング指令と言っているだろうと思われる…


彼はなにやら全身で何かを訴えているように感じるが良く解らない。


どうしよう、折角彼が喜んでいるのに…


彼の動きは続いている…


何がして欲しいんだろう、うーん…




動き続ける彼に声をかける。


『キング』


彼はピタッと動きを止める…



『んー』


今までで一番くらい張りのある「んー」を言って、満足気に頷く彼。

「キング」って呼ばれたかったのか…




でも、このゲームは封印だなって思ったよ。


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