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土の126号  作者: はぐれSS
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【嘆き】

研究はついに実を結んだと言っていいだろう。



都市間の輸送に私の研究により出来上がったモノが使われるようになった。


石材を中心にした材料を発見した陣によって形になったモノ。


それは「トラゲン」と名づけられた。



馬のように餌も休息も必要とせず。

石材を中心にすることにより費用も安く、力も強い。


今までの2頭引き荷馬車5台を楽々引いていくその性能により整備された道がある都市間の輸送に革命が起きた。


私には新しい研究施設と豊富な資金が提供されるようになった。


研究の為の人手も優秀な者達が国から推薦されてきていた。




今まで私を蔑み、馬鹿にしてきた研究者達は口をつぐみ。

研究資金を止めようとしていた国庫管理の担当者は僻地へ移動になった。


もう私は無能な研究者ではない、1人で細々と馬鹿にされていた研究者ではない。


私は新しい研究施設に明日移る。




輝かしい日々が目の前に来ている。

普段は呑まない酒を浴びるように呑んだ…


126号が目の前に居る。解るかどうか知らないが伝えておこう、この成功は126号のお陰だからな。


『126号、明日からはもっと素晴らしいところで研究ができるんだ。お前の好きな鳥の皮もたくさん用意してやれる。こんなところからおさらばだ』


126号はいつものように口を突き出して「んー」と言って中庭へ出て行った。



126号も喜んでいると私は思っていた。あの姿を見るまでは…




おぼつかない足取りで夜風に当ろうと中庭に出た私は見た。





今までの実験体を126号が埋めていた場所に向かい短い両手を地面について震えている姿を…


私も126号の横に立ち深く頭を下げた。


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