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土の126号  作者: はぐれSS
13/61

【僕は…】

何だろう、誰なんだろう。


本が読めるようになって、意味が解るようになって。そして解らないことが沢山。




一番知りたいのは僕は何なのか。




「家族」と言う言葉。人は人から産まれ育てられるらしい。


僕は気がつけば1人だった。自分以外の人を見たことがない…そもそも僕は人なのか…



豊かな森を見下ろしながら物思いにふける。

足元には彼。



彼は物知りだと思う、思い切って聞いてみよう。



『ねぇ、家族ってどんな感じ』



彼は静かに、んーとして森の方へてくてく歩いていく。

彼でも知らないこともあるのか…


そんなことを思っていると枝や葉っぱを持ってきた。その様子をしゃがんで観察する。


彼は枝と土で四角い壁をぺしぺし作る。屋根はない。

ベッドや本で見たかまど、小さな机などを作っていく。


彼は土で小さな彼を作りベッドに寝かせる。


葉っぱを腰に巻き、かまどで何かを作っているような動きをして、ベッドの小さな彼に食べさせるような動きをする。


最後に小さな彼に葉っぱのお布団をかけて、やさしくぺしぺしした。



んー


彼の声で小さな小さな家はあっという間に崩れた。




僕は何なんだろう…


でも、僕は1人じゃないみたい。なぜかって。



葉っぱを腰に巻いた彼が寝ている僕をやさしくぺしぺししているからね。


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