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【修行とは…】
あれからどれくらい経っただろう。
毎朝のお祈りの後、僕らは修行をするようになった。
彼は毎回完璧に同じ動きをする。
僕はまだバランスが悪いところが結構ある。
暇な時に本を読むようにしている、不思議と見れば見るほど文字が読めるようになっていく。しかもなんとなくだけど意味も解ってくる。
酔拳の本の中で今気になる言葉がある。
「師匠」
何度も何度も見ているうちに教えを与える人と言う意味が頭に浮かんだ。
ある日彼と一緒に修行していると僕の苦手なところをくり返し舞ってくれている…
これが師匠かなぁ…
『師匠』
彼は急に動きの早さを上げて んー ってして僕の足をぺしぺし叩き、向かい合わせに立った。
その日から僕らの修行は僕の修行になった。
師匠はどうしてるかって。その日から僕の迎えで不動の構えのまま時々見本を見せてくれるよ。




