中島咲――ウヨウヨしてないで、それより笑おう!!
ねぇ! 笑おうよ!!
お腹から声出して、ちょっとでもおもしろいことがあれば、笑ってみよう。
なんでこんなこと言うかって……?
う~ん……やっぱそれは、アタシがバカだからと思う。
テストは赤点だらけ。むしろ平均点すら行ったことも数えるほどだし、授業中は寝てばっかりいる運動バカなアタシだからかな……。
どうしようもないよね! アタシってさ~。
先輩の涼子ちゃんにも、妹のにこにも、夏蓮たち部員のみんなにも、本当に迷惑かけてると思う……。
でもね、アタシは悩むのを、あえてしないんだ。
理由はね、簡単だよ。
――笑顔じゃないアタシは、誰かの笑顔まで消しちゃうから。
小学生のときはソフトボールクラブに、中学からはバレーボール部に入って、そして高校で再びソフトボールを始めたアタシ。
その分だけたくさんの人に出会えて、みんなからよくこう言われたんだ。
咲が笑ってないと、何だかシラケるって……。
普段笑ってばかりいるアタシだからかな?
それとも、アタシがバカ扱いされてるから!?
う~ん……どっちも正解のような……。
でもそれってさ、たぶんアタシだけではないと思うの。
――あなただって、笑顔じゃなかったら、誰かの笑顔を消しちゃうんだよ?
それがたとえ、どんな状況でも、ずっと……。
人はね、他人を見ていないようで、実はしっかり見ているの。アタシの小さな脳みそだって、それくらい覚えられるもん! 会ったことがないあなたの辛い顔も、悩ましい顔も、苦しそうな顔も、ね。
だからさ、いっしょに笑うよ。
笑うとね、元気が出て、目も覚めて! 健康にも良いんだって!!
そしてあなただけじゃなくて、見てくれた誰かの心も軽くすることができるの。
笑顔はね、人間男女誰しもが身に付けられる、無料の魔法アイテムなんだよ!
そのタネも仕掛けも、人の表情が伝染していくからなの。
どうせするんだったら、笑顔を拡散させちゃおうよ!
誰かのために、笑顔を届けてあげよう?
あなたの友だちや家族、親戚の人や、遠くで苦しむ人にまで。
アタシが笑顔の起爆剤になるからさ。
だから次はあなたが、笑顔のリレーに続いてね?
じゃあ! いっくよ~!!
――キャッチャー 中島咲。背番号2




