表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/5

私の心

【鏡と私】


「可哀相なリアリナ」


町中の人が言い合います。


「リアリナは呪われている」


町中の人が恐れます。



リアリナは、とても愛嬌があり、ふっくらとした可愛らしい女の子でした。

しかし、13才の頃から性格が刺々しく泣きわめくようになってしまいました。

今では骨と皮だけの醜い姿になっています。



16年前、リアリナはこの世に生命を得ます。

産まれた時からふくよかで真ん丸とした可愛らしい女の子でした。


リアリナは、勉強も運動も人並み以下ですが愛嬌があったため人気も高かったのです。


毎日、規則正しい生活を送り両親もリアリナを可愛がりました。


リアリナが7才の時、可愛がっていた子猫が死んでしまいます。


その時、リアリナは急激に落ち込みました。

全く、笑わなくなり静かな女の子になっていきます。

両親も心配して、話しかけるのですが「大丈夫」としか言いません。

両親は心配しましたが、リアリナは部屋にこもります。


しかし、数日後にリアリナは元気を取り戻しました。

今までと同じように、規則正しい生活を送り、愛嬌のあるリアリナに戻っていきました。


両親も安心しました。

「子猫の死が、よほど辛かったのね」


両親は、元の元気なリアリナに戻ったと思っていました。

リアリナ自身も「気分が良い」と思っていました。


リアリナの、13才の誕生日には多くのプレゼントが贈られ「私って、幸せ者」と喜んでいました。

リアリナの一日は、とても規則正しいです。


朝は早めに起き、身支度をします。

リアリナは髪の毛が長いため、ゆっくり時間をかけ結い上げていきます。

その間は鏡をみて、悩み事や愚痴を言うのです。

「明日は、学校の試験があるのよ。嫌だわ」


「数字って苦手なの」


「きっと、また悪い成績よ」


「怒られるのは嫌だわ」


「私って、才能が無いの」


リアリナは、自分には才能がない事を知っていました。

勉強も運動も人並み以下です。

リアリナは、鏡に向かい不満や愚痴を吐き出す事で、気持ちを楽にしていました。

友人には、本音を話しにくいですが、一人なので気にせず吐き出せます。

リアリナは最後は決まって「私って、才能がないの」と言い、終わらせます。


朝食を食べ、学校へ。

リアリナの大嫌いな勉強の時間が終わると、リアリナの大好きなお弁当の時間です。

「なんだか、お弁当を食べに学校に来てるみたい」


リアリナは思いながらも、毎日このように学校を過ごします。


家に帰り、友人と遊び、夕食をとって寝る。


これがリアリナの、一日の流れです。

リアリナは「つまらないわ」と、思いながらも日々変わることなく過ごしていました。ある日、友達と話していると「好きな人がいるか?」という、話題になりました。


リアリナは、好きな男の子がいました。

友達に言うと「えー!?あいつ性格が悪すぎるよ!」と、驚かれました。


リアリナは、

「性格なんて、分からないじゃない。私は彼の顔が好きなのよ」

と、気にもせず話しました。


友達は「悪い性格って分かってるから止めてるの!」と、言ってきますが、リアリナは無視しました。

「誰を好きになっても、良いでしょ?私は彼が好きなの」


友達はリアリナを説得するのを、諦めました。


リアリナは頑固な所がある事を知っていたからです。

友達は言いました。

「じゃあ、好きって伝えるの?」


リアリナは悩みました。

「え?そうね。でも、彼の好みって知らないから。まずは、そこから知りたいわ」


友達は笑って言いました。

「リアリナなら、大丈夫なんじゃない。可愛いし!」


リアリナは照れました。

友達は、本気で可愛いと思っています。

ふっくらとしていて、赤ちゃんみたいだからです。


リアリナは決意します。

「よし、明日聞いてみよう!」


リアリナは、好きな男の子に好みを聞くことにしました。

「どんな女の子が好みかしら」

リアリナは、自分とは正反対だったら嫌だな、と思いました。

しかし、好みが知りたいという気持ちの方が強かったのです。


友達も応援してくれてます。

リアリナは「どうか、私みたいな子が好みでありますように!」と、心の中でお願いしました。翌朝、リアリナはいつも通り早く起きました。

顔を洗い、身支度をして鏡の前に座ります。

「緊張してきたわ。私みたいな子、好みかしら?」


「私って、真ん丸なのよね」


「彼が痩せてる女の子が好きだったら最悪だわ」


「私って、意外と傷つきやすいのよね」


「はぁ。私って、何にも才能が無いわ」


リアリナは、自分の容姿や性格を考えると暗い気持ちになりました。


子猫が死んだ時も、あまりに傷つき寝込んだほどです。

そんなリアリナが、性格の悪い男の子に好みを聞くなんて危険だと、自分でも薄々気づいていました。


ただ、リアリナは頑固でもあるため意見をなかなか変えません。


意を決して、学校に向かいました。



リアリナと友達が一緒に、お弁当を食べていました。リアリナは相談します。


「何だか緊張してきたわ。いきなり、聞くのって変じゃない?」


「大丈夫。あいつ、馬鹿だから何も分からないよ。リアリナが聞けないのなら私が聞こうか?」


「え!?いいの!?」


「いいよ。でも、リアリナもついてきてね!あんな奴と二人っきりなんて嫌」


リアリナは喜びました。

まさか、友達が聞いてくれるとは思わなかったからです。

「ありがとう!とても、助かるわ!」


リアリナは喜び、大好きなお菓子を友達にあげました。



学校の授業中もリアリナは、好きな男の子の事で頭がいっぱいです。

「どうしよ!?なんだか、とても緊張してきたわ」


「ひどい事を言われたら死んでしまう」


「変な奴と思われるかも」


そんな事を考えていたら、あっという間に学校は終わりました。


リアリナは、すぐに友達の所に行きました。


「帰り道で待ち伏せしよう」


このように、約束したからです。


リアリナと友達は急いで、待ち伏せ場所まで行きました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ