四時間目
11時35分、数B、英文法を被害0でやり過ごし、四時間目の芸術選択を迎える。音楽と美術と書道に別れるのだ。書道側は担当の柄山先生がいないので硬筆作品を提出するだけの自習である。
高林「昨日何してた?」
青山「あー、午前中は学校いて、午後はひたすらナンプレしてた」
高林「ふーん、ま、さっさと硬筆終わらせて遊ぼうぜー!」
青山「それよりお前…岸さんに告白したのか?」
岸さんはクラスのマドンナ的存在だ。成績は学年最下位を争うが美形であり、性格もいい。
高林「……」
青山「諦めるなよ!ちゃんと岸さんに気持ちを伝えるまで…」
黒澤「おい、岸さんと言ったか?」
学校一のワル、黒澤が現れた。やつの悪行は落とした商品を棚に戻さない、右側通行、カップラーメンを二分で食べるなど数知れず。
黒澤「岸さんは渡さん」
青山「黒澤…お前も岸さんを…」
沼「ちょっと待った。俺も参戦する」
整備委員の沼も名乗り出る。岸さんは美人なだけに競争率は激しいのだ。難関大合格より困難である。
高林「くっ…、書道選択者だけでこんなにライバルがいるのか」
沼「特に黒澤…お前は掃除パスの件もあるから整備委員の名に懸けて絶対負けない」
掃除をサボる輩は誰であろうと容赦しない沼。但し岸さんは除く。けど岸さんはサボらない。
青山「わかった、こうしよう。硬筆の作品で一番先生の評価が高かったやつ以外は諦める、ってのはどうだ?」
黒澤「なに寝ぼけたこと言ってんだ」
沼「論外だな」
高林「そんななめた勝負、誰がするか!」
青山「あれー、完全否定!?」
青山はブログが炎上した時と似た気持ちになった。ちなみに青山はブログをしていない。
黒澤「ルール無用の真剣勝負!それでいいな?」
沼「望むところだ!」
高林「絶対勝つ!」
そして戦いが始まった。あまりにも騒々しいので他の面子の注目が三人に集中する。その中には岸さんもいる。
尾形「ちょっと君達、授業中だから静かにしないと…」
平凡な高校生、尾形が止めに入る。
黒澤「うるさいぞ!地味なくせに!」
尾形「がーん、これでも小学生の頃「歩く太陽」って言われてたのに…」
続く!
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