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惨劇の始まり


ある朝、2年LDK組の教室の扉が開く。


青山「ん、誰もいない。やっほー、一番乗り!」


浮かれてシャドウボクシングをし、教卓の上の花瓶を割りパニックに陥った青山に一つの影が忍び寄る。


鳴沢「くく…、実は俺様が一番よ!そして花瓶を割った瞬間写メらせてもらった」


青山が振り返るとクラス一の長身、鳴沢が立っていた。

青山「鳴沢…、貴様!!」


鳴沢「おおっと、この写真ばらまかれたくなかったら一つ言うことをききなさい!」


青山「ちぃ…」


鳴沢「俺と組んで漫画家になれ」


青山「いや、それパクリじゃね!?前に有名週刊誌で連載してた人気漫画の台詞のパクリじゃね!?あと俺絵上手くないし、ストーリーも作れないよ」


鳴沢「えー、でも幼稚園の時先生に仮面ライダーの絵褒められてたじゃん」


青山「大分昔の話持ち出すね」


などとなんやかんや話してる内に鳴沢は教卓の上の別の花瓶を割ってしまった。


鳴沢「しまった!」


青山「あーあ、同罪だな」


そんな二人の背後からシャッター音がした。


菅谷「証拠写真ゲット!バッチリ一眼レフで撮ったぜ!」


青山「学校にそんなん持ってきてんの!?お前卓球部だろ!」


菅谷「ふっ、鳴沢、この写真をばらまかれたくなかったら…そうだな、一番乗りの座を譲ってもらおうか」


鳴沢「なっ…、なんてエグいヤローだ!」


青山「別よくねー?」


鳴沢「おい!一番乗りってのは俺にとっては重要なんだよ!なんてったって現在98日連続一番乗り中であと2日で校長から図書券貰えるんだぞ!」


青山「うちの学校そんな制度あったんだ!」


鳴沢「そして菅谷は校長の甥っ子。身内だから校長のスパイとして俺に図書券を与えまいとしてる。だから常にカメラを持ち歩いて俺の悪行を伺ってるんだ」


菅谷「この勝負、俺の勝ち!」


高笑いをする菅谷。が、調子に乗って両手を広げると、教卓の上の花瓶に触って落としてしまった。


青山「教卓の上の花瓶多いな!」


鳴沢「馬鹿が!すべて計算済みだ!」


カシャッ、とまたもシャッター音が教室で響く。三人が音の方を向くと英検二級の福智がいた。スマホを持っている。


福智「菅谷…お前の時代は終わった。これからは英検二級のおれがこのクラスを支配する!言うことを聞いてもらうぜ!」


菅谷「英検二級の福智め!」


福智「願いは一つ!英検二級の俺を不老不死にしろ!」


青山「出来ねーよ!お前だけ一つ言うことを聞いてもらう解釈おかしいよ!」


菅谷「わかった」


青山「出来るのかよ!」


すると菅谷は呪文を唱え始めた。


菅谷「ダラウンカダルンヌケゲハンパジャナイゾロウンパラウンベンキョウハカドラナイヒシウン…」


福智「力がみなぎる…。これが不老不死…」


菅谷「リソンソソソリンリソンンソンソリンリリソンソリリン」


福智「…!?なん…だ?体が溶けていく…!?」


菅谷「サンテンイチヨンイチゴキュウニロクゴサンゴ…」


鳴沢「これは不老不死の呪文じゃなく、液状化現象の呪文!人を液体化する、まさに呪いの文章!これは一度唱え始めたらキャンセル不可とされる」


福智「おい!唱えるのをやめろ!」


鳴沢「もう遅い!漢検でも取っておくんだったな!」


三秒後、福智は液体と化した。


福智「終わった…何もかも」


青山「ここまでする必要なかっただろ。てか今何時?」


教室の時計の針は9時を示していた。


青山「あれ?ってことは…」


鳴沢「そうか…今日は振替休日だった……」


その後、三人で花瓶の破片と液体を片付けた。



残り 37人



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