攻撃
ライバル出現!?
舜とリコの壮絶な奪い合い勃発!
ヤツが動くまでそう長く時間はかからなかった。
「昨日は一緒に帰ったんだよねー」
と、リコはわざとでかい声で言う。明らかに舜を意識したものだ。あの体育の授業後すっかり向こう側はその気になってしまって、舜をライバル視している。教室にくる頻度も増え、朝黒板にどでかくアイアイ傘を描く始末だ。スルースキルの高い舜はいつもスルーの方向なのだが、
「・・・・・・ムスッ」
今回はそうはいかない。舜自身、驚いていることだ。逃げまいということで、教室に残っている。不自然なので嫌がる上原を力でねじふせ、隣に配置する。甲高い声を聞くのが苦痛な上原は耳腺代りに音楽を聴いて寝ている。
(ウチが電車通いだからって・・・・・・)
とことん頭に来る女だった、仕掛けてくるくせ、告白できないくせに。いや、してるようなもん?
ボディータッチが激しく抱きついたりしているので本当に頭に来る。
「好きなんじゃねーの?お前も」
と、ツッコミが入りそうだが、
(そんなんじゃなくて、話相手が減ってつまらないし、あの女自体が嫌いなだけ)
と言い訳している。その割、思い切った行動ができていない。
「高峰さんってさー、友達?」
最近そればかり聞く
「や、友達だな、たぶん」
それしか祐二が言わないことを知って聞いているから本当に頭にくる。精神攻撃でもしているつもりだろうか。
「いててて!」
気づいたら上原の足をグリグリと踏みつけていた。
放課後、部活がないのでいつも通り祐二と帰ろうとするが、先客がいる。
「おう、舜チャン」
「あれー、高峰さんってそういう仲じゃないでしょ?一緒に帰るのはあたし」
抱きついてみせる。
「別にそういうわけじゃ。今日は寄るとこあるんで」
でまかせだが、今はそれしか言えなかった。
「そうですかぁー、ではごきげんよー」
祐二を引きずるようにして去る。あの女にも、対抗できなかった自分にも腹が立った。目に入った上原の自転車を蹴とばして全速で帰った。
「なんなんだよ!別に関係ないじゃん!」
戸惑っていた。自分が女でもまず好きになることはないだろうと思っていた男に、今恋しているかもしれないことに。
(でも、大事な友達だもん。上原だって同じはず)
そう考えて気を落ち着かせるしかなかった。言い訳なのかもわからない。
相談、しなきゃ。
母さん、親父、上原。真面目に聞いてくれそうなやつはいない。そこにふと、浮かんできたのが、
「変態ジジイ・・・・・・?」
就寝後、しばらくすると
「呼んだかしらん」
ジジイが現れる。
「お悩みのようねぇ。どうせ祐二クンのことでしょぉ?」
「ん・・・・・・まぁ」
「たしかにワタシもかなりタイプの男の子よん。気が合いそうだし」
「萌え方面でな」
どうやらアタリだったようだ。割と真剣に聞いてくれる。”萌える”と絶叫しているが。
「そぉねぇ、やれることって言ったら・・・・・・やっぱりもっと触れてあげることじゃない?男の子ってそういうのには弱いのよん」
「え・・・・・・無理、絶対無理!」
「無理って、もう。まぁ恥ずかしいものよねん」
「ふん」
「まぁ好きな子にっていわれても・・・・・・」
「違うから!べ、別に」
舜は叫ぶ。しかしジジイは
「あなたは恋してるのよ。認めなさい」
いつになく真剣な声で言った。
「とにかく、それを前提にできることをするだけよ、自分に嘘はつかないこと」
それだけ言って、舜を夢から覚ました。
気づくと朝だった
(やっぱり・・・・・・好きなのかな・・・・・・?)
どうも作者こと甘党でございます。
長いので2部に分けてみました。まとめちゃうのもありなんですが切りのいいところで読み終われそうにないので、というのが理由です。
さて、いよいよ戦いの幕が切って落とされました!
なんかこういう戦いの場面って書いてて楽しい!妄想爆発させて書いていきたいと思いますww
今後ともよろしくです
ついったですhttp://twitter.com/#!/amato_san