敵
性別は変わっても何ら変わらない日々を過ごしている舜。
マラソンなどとかったるいことがあるものの平和であった。が、それをそれを乱す”女”が現れ・・・・・・
「あ~だりぃなぁ~」
舜は大きな伸びをして言う。
「クッソ~次はマラソンか」
と、祐二。
「お前らすげーオーラ出てるぞ」
上原はトイレ帰りに言う。
今日も3人で昼食をとり、昼休みを過ごしている。この1年間ずっとこうだ。最近になってこの中でどの2人が”できている”のか話題になっているようだが特に気にしてはいない。まぁ確かに上原も含め、美男女の集まりではあるのだが(当の本人たちはそのようなことは思ってもいない)。そして今日の午後一発目の授業は体育、オマケに近く開催されるマラソン大会に向けた走り込みである。よってこの3人、他人を寄せ付けない”負のオーラ”をまき散らしている。
「ったく、俺らがハーハーしてるの見て喜ぶのかよ体育教師さまはよぉ」
と、祐二。
「まぁねぇ~、女子ならともかく男子とかだったらちょっとアブナイし、つか女子もお断り」
と、舜。
「男子短パン、、女子ハーフパンツ。普通逆だろ、女子の足が見えないやんかい。やっぱりアレなんじゃね?」
上原も乗る。3人の会話はいつもこんな感じである。上原を除き、趣味は主にパソコン特に動画サイト、掲示板巡りなのでこの手のネタばかりが話題になる。しかしこれが彼らの日常であり、平和を意味するのだ。
「ユージーン!」
しかし、最近それも乱れ始めていた。祐二を呼んだのはどこのクラスかは知らないがこの頃祐二に付きまとっている”リコ”とかいう女子だ。禁止のはずだが茶髪、髪は長くてギャルっぽさ満載、綺麗かはわからない。マラソン練習で他クラスとの接点が増えたため、割とイケメンな祐二は目につくようだ。数日前(舜がまだ男だった頃)はつかの間の団欒タイムに割り込んでこられたのが気に食わなくて、上原と邪魔だなんだと言っていたが、
「・・・・・・(ムスッ)」
舜は少し違った。今までとは違う理由で頭にきているような気がするのだ。
「なんだよ、ムスッとしてさ」
上原が言う。
「んは!? ち、違うし。つかベランダ行こう」
(図星? まさかね・・・・・・なんで祐二のことで・・・・・・)
こういうときの避難場所はベランダになっている。あの女の声は甲高くて耳障り、と上原は言っている。同じく他の男子もベランダへ避難している。
「キャッキャ」
本人は気付いているはずもなく。
結局チャイムギリギリまで話し込んでいたようだ。急いで着替えて外へ出る。
「くっそー、ついに来たか!」
上原が頭を抱える。
「俺らは35分、舜チャンは25分だな」
男子は本番15キロ、女子は8キロというなんとも不公平(と男子は言う)距離設定。舜は少し得をした感じがして、モチベーションが上がるかと思いきやそれなりの辛さがあったので結局、
「ウチらもそれなりにダル距離設定になってんの」
頭を抱えるのであった。
アップが終わりピーという笛の合図で走り込みが始まった。重ーい足取りでそれぞれ走り出す。男女別メニューなので一緒には走らないが、お互いすれ違う度顔をしかめ合った。そして、そんな時間も終わり、
「や、やったぞ」
達成感を感じながら教室へ戻る、途中に、
「ゆーじん♪」
ヤツが来た。
「今日は一番だったよー」
「御苦労さんだな」
あまり人と話すときはめんどくささがあっても表情に出さない祐二、だからこそ気になることがある。
「気にくわねーのか」
上原が察することができるほど態度に出てしまったようだ。
「うるさい!」
舜は、祐二に駆け寄り、
「さっさといこ!」
「お、おう じゃ、そゆことで」
奪還する。自分の方を優先した、という事実が嬉しかった。ということに気づき
(やだやだ)
と首を振る。そして後ろの方で
「何様?」
とヤツを中心にしたグループに睨みつけられていたような気がした。
どうも作者こと甘党でございます。
今までのペースからして少し間が空いてしまったようなないような。
べ、別にネタ切れとかじゃないんだからね!
とか言ってみたり。
設定上では現在2月のはずなのでイベントってのが少ないんですよね
早く春が来ないかなぁ・・・・・・
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