策士リコ。結末は・・・・・・
ついに激突した恋のライバル舜とリコ。平穏だった教室は彼女らの戦場となった。祐二を我が物にするためには手段を選ばないリコ。彼女が張っていた策とは?
「ただの友達、ただの友達ってうるさいな!」
ついに舜はキレた。ベランダの野郎共が注目する。
「だってそうでしょ? 祐二もそう言ってるし」
「そ、それは・・・・・・違うの!」
としか言えない。
「まったく調子に乗らないでほしいわ。もうあたしたちは付き合うの。邪魔はしないでほしいわ」
「えっ?」
(そんな、祐二・・・・・)
「昨日私、言ったのよ?まぁ結果は言うまでもないでしょうね。なのに高峰さん、カラオケ行く約束なんてしちゃって。全くミキは何をしているのかしら。まぁよくやってくれた方だけど」
ミキという名前が出た。
「ミキ?どういうこと」
「あぁ、やっぱり気づいていないのね? ミキにはね、あなたが祐二と会わないようにちょっとお仕事
してもらったのよ。その間あたしたちは楽しく過ごしたってワケ♪」
気がつくとミキが泣きそうな顔で立っていた。
「ミキ・・・・・・?」
「ち、違うの!そういうつもりじゃなかったの!ほんとはね?舜ちゃんを応援してたの!でも・・・・・・」
信じることなど出来るわけがない。馴れ馴れしくされてきたことに異常に腹が立つ。
「まぁどうせ、ただの友達なんだからいいじゃない。せっかく仲良くなったんだから後は好きにしてくれていいわよ」
と吐き捨てるように言った。ほんとにひどい女だと思った。人を利用してまで自分の思い通りにことを運ぶ・・・・・・悪魔だ。
「そんなわけない。お前なんかに・・・・・・祐二が恋するわけない!」
「あら、現実逃避?」
「んっ!」
殴りかかろうと思った。しかしそこに、
「落ち着けってお前ら」
祐二が現れた。今来たのか傍観してたのかはわからない。
「高峰さんはただの友達でしょ? なんでウチらの関係に入り込んでくるのよ!」
恋人である祐二にもこの態度である。
「・・・・・・・・・・・・」
舜は何も言うことができない。なぜなら本当の祐二の気持ちを知らないからだ。
「ほら、この子ったら何も言えないじゃない。やっぱりダメな子ね。ほんとは祐二クンが好きなんじゃないの」
「言いすぎだリコ!」
さらにリコは続ける。
「高峰さん、ウチたちが付き合うってこといったら、ものすごく怒っちゃうんだもの」
「おい、それはまだ・・・・・・」
(やっぱり・・・・・・本当なんだ)
殴りかかりたい衝動が引いていく。体の力が抜けていく。
(こんなにも・・・・・・・なのに)
「高峰さん、あなたはねぇ? お人好しのユージンに適当に相手にされてるだけなのよ?ね?」
止めの一発だった。涙があふれ出していた。
「ひくっ・・・・・・」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「リコ!いいか!」
突然、祐二が怒鳴り始めた。クラス全員が、教室に入りかけた教師(原田)までもが注目する。
「いいか!俺はまだ言っていないことがある!何フェチか、好きな食いものは何か!誕生日はいつか!
そんなことよりもっと大事なことだ」
「・・・・・・?」
「確かに俺はお人よしだ。人付き合いではいやな顔を見せない用にしているつもりだ。舜にも・・・・・・そしてお前にもだ!」
「へっ?何それ?嘘でしょ?」
(・・・・・・祐二?)
「確かにお前はカワイイさ、カワイイよ。でもな、すまないがお前を好きにはなれない。なぜならな」
「・・・・・・・・・・・・」
皆が固唾を飲んで次の言葉を待つ。
そして祐二は舜を抱きよせ、
「俺は、俺は舜が好きなんだよ!大好きなんだよ!これがまだ言ってなかったことだ!」
舜は顔を上げる。
(・・・・・・・・!)
教室は大歓声に包まれた。
「よく言った祐二!」
「んにゃろーかっけーぜ!」
「とんだ勘違いだったな!リコチャンよぉ!」
「卑怯なことするからじゃ!」
と、居室奪還に歓喜する避難中の男子一同、
「祐二っ・・・・・・」
涙を拭って舜は呼ぶ。
「悪かったな、あとで何でも、罰は受けてやる」
と祐二。
「くっ!」
とだけ言ってリコは去っていく。
「よーし!席着け!」
我がクラスの大勝利に原田も上機嫌である。涙ぐんですらいるように見える。
午後の授業も皆興奮が覚めず。ほとんど授業になっていなかった。
余っていたコーヒーシュガーを一気食いして友人にかなり驚かれた作者こと甘党です。
幼いころ、ブルガリアヨーグルトについてくるグラニュー糖だけ食べていたこともあるという正に重度の甘党であります。オイシイヨ?
その代り代償として、コーヒーとか苦いものは一切飲めませんでして、ダ○ドーのブレンドコーヒー?すら飲めません。
早くも将来が心配されております(糖尿病的な意味で)