お色気作戦計画(仮)
打倒恋敵リコに燃える?舜に心強い味方、ミキが登場。彼女も何か事情があるようだが、舜をプロデュースするべく街へと赴く。彼女が提案したのは「誘うような服」という何ともけしからんものだった
さらにとある日の昼休み、ついに彼女らの直接対決が始まる・・・・!
(9話から6日後くらいの話)
「これなんか似合うと思うよ」
舜は今、街の服屋に来ている。そして今服を一着勧めれれている。
「なんか派手。ウチには似合わないかな・・・・・・」
鮮やかな赤が基調のパーカー、ルーズな性格にはルーズな服を、というのが理由だそうだ。
「じゃぁ、何色がいいの?」
「白・・・・・・かな」
「清楚な感じが好きなのかな? じゃぁ・・・・・・」
と、馴れ馴れしく買い物をするこの女子。昔からの友達ではなく、つい最近関わりを持ち始めたばかりなのだ
が、すっかり親しい仲になっている。
「木本君って割と派手な方が好みらしいけどねぇ」
「なんで知ってんのさ」
「噂だよ~」
名前はミキといった。ウェーブのかかったロングヘアと優しい感じのたれ目が印象的だ。それにしても何故かミキはいつも祐二のことばかり取り上げる。2人をくっつけようとでもしているのだろうか。最近はミキと過ごすことが増え、祐二とカラオケにも行けなくなり本末転倒な気もするが。
「まずは身だしなみから。肉食系男子の心をくすぐるエロコーデがいいわ」
と言って、胸元の大きく開いたワンピース(袖もあるタイプ)を購入。その後も明らか誘っているような服を次々提示してくる。冬にミニスカはやっぱりよくわからない。服などは毎日行くようなことはなく、月3回がいいところだったが。ここ最近はほとんど服屋に通っている。
「じゃぁこっちの白ベースにピンクのパーカーがいいかな?」
「うん。こっちならいいかな」
ということでお買い上げ。ポイントカードのポイントが貯まっていたので、いくらか安くなった。
「疲れた~」
ミキは伸びをする。確かに今日はよく歩いた。
「これで後は祐二クンを誘うだけだね!」
「あ、うん」
「ま、あとはいつものことだから大丈夫かな?」
ここまでお膳立てしてくれたんだ。頑張らなくてはいけない。
(このエロさで、あいつを落としてやる)
「てかさ、なんでここまでしてくれるの?」
気になっていたことを舜が尋ねる。
「え?、あ、なんか応援したくなっちゃってさぁ。あんなに仲がいいのにそれだけで済ませちゃうのは
よくないじゃん?」
と、ミキは答えた。
(もしかして・・・・・・ミキも祐二のことを)
そんなことが頭をよぎる。同じ境遇にあるかもしれない舜に同じ思いをさせないためになのか。
「じゃぁ今日はここで。バイバイ」
「うん」
彼女は振り返って走り出す。一瞬複雑な表情が見えた気がした。
翌朝、舜は早めに目を覚ました。なぜなら早く学校に行き、リコに祐二を独占される前に遊びに行く
約束をするためだからだ。最近リコは祐二とよく出かけていると教室で自慢げに話していた。本当に頭に来るやつだ。だからそんなヤツが来る前に蹴りをつけておきたいのだ。
「おお、舜チャン。今日は早いな。宿題やってないのか?」
「いや、何となくかな。それよりさ、今度の日曜の午後、部活終わったらカラオケ行かない?」
いつもと同じ用に誘う。
「おう、いいぜ。なんなら2人でも」
全く普通にいえばよいものを、と思いながらもとりあえず目標は達成だ。
「俺は?」
上原も来たがているので呼ぶことにした。
昼休み、昼食を食べ終わり3人はというと何をするわけでもなくぼーっとしている。次の教科は3人が最も愛する教科、社会科である。昼寝し放題に加え、教師の安眠ボイスのおかげで他教科より他の生徒にも圧倒的な支持を受けている。寝るもよし、授業を受けるもよし、ゲームをするもよし、内職をするもよしだ。そのため、余計な心配ごとをせず、安心して昼休みを過ごせる。と、そこにミキがやってきた。
「舜ちゃんいる?」
どうやら用があるようだ。
「何?ミキ」
「今度の日曜の午後空いてるかなぁ」
遊びの約束のようだが、あいにく予定がある。
「ごめん、祐二と遊びに行くんだ」
「えっ」
ミキが急にオドオドし始める。
「どうしたの?」
聞いてみると、はっ我に帰って、
「ううん、なんでもない。頑張ってね」
とだけ言って言ってしまった。どうしたんだろう。
(悪いことしちゃったのかな)
よくわからない。そして眠い。
「ふぁ・・・・・・」
5時間目開始のチャイムが鳴る。無論舜ら3人はフルタイムで寝た。
放課後、部室へ向かおうとすると、リコとミキが何か話をしている。
(ヤツに絡まれてるのかな・・・・・・祐二が気になってることがバレないといいけど)
そう思ったが、どうやらその心配もなさそうだ。何事もなく別れる二人。
「さ、部活、部活」
今日の練習は、すこぶるキツかった。
「あら、カワイイ服♪」
就寝して間もなく、例のジジイが現れた。
「萌えるわっ。チラリとのぞくあるようで無い谷間ッ!」
なぜか買ってきた服を着ている。これも神様(自称)の力なのだろうか。例のワンピースを着せられている、かなりダボついていてすぐに脱げそうだ。ニーハイソックスも着用してる。
(って、これは明らかにジジイの趣味構成? かなり好きな物の寄せ集めな気が・・・・・・)
「あなた何フェチですか?」
「つるぺた属性もあるわよっ」
ウインクするジジイ。気色悪い。そういえば、これを家で着て見たとき、親父も似たようなこと言っていた気がする。ますます寒気がした。
「しかしあのミキって子、どうも気になるわね」
ジジイが言う。
「やっぱりですか?ウチもです。祐二のことが好きっぽくて」
「そおなの? それならいいんだけど」
どうやらそのことではないらしい。
「フラグは立てないでくださいね」
とだけ言ってジジイのもとを去る。
翌日、今日はいつも通りギリギリの時間で起きる舜。だるくてしょうがない。なぜなら今日は1時間目から体育というなんとも酷な日程だからだ。社会科もない。
「あぁぁぁああ」
頭を抱えて唸る。ここまでくると、もはや悔しい(何かが)。しかし、学校に行かないわけにもいかないので仕方なく支度をして家を出る。
「・・・・・・・・・・・・」
学校に着いた後もずっとこのテンションだ。そこに祐二が登校してきたらしく。
「よぉ、舜チャン」
いつも通り挨拶をしてくるが、
「・・・・・・ん」
とだけ言う。とにかくだるかった。もはやこれは体育だけが原因ではないような気がするが・・・・・・
その日の午前の授業が終わった。今日はやたらと祐二が怒られていた。なぜかはわからないが、まぁ
いつものことなので気にしなかった。
(で、今日もお呼ばれか)
無言の昼食の中、「ちょっと行ってくる」とだけ言い残し職員室へ祐二は向かった。そこへ・・・・
・・
「ゆーじー」
甲高い声が響く。一番聞きたくない声。男子総員、自主避難を始める。上原も無言で去ってゆく。
「あれー、ゆーじー?ゆーじ?」
祐二を探しているようだ。いないことに気づいたのか、ガニ股で構える舜に向かってくる。
「高峰さん、ゆーじどこぉ?」
「っつ・・・・・・知らない」
舌打ち交じりで言う。こういう絡みは大嫌いだった。わざとらしい憎たらしい絡み。
「何よ、ただのトモダチのくせに」
と小声で言った。確かに言った。
ガタッ
舜は立ちあがった。
どうもです。作者こと甘党でございます。
twitterの宣伝のやつをフォローしてみました。使い方がいまいちわからんですが、頑張ってみたいと思います。
さて、いよいよ直接対決の予感ですね。ミキちゃんの正体もきになりますねぇ。あと感想も大募集中です!もれなく作者が喜びます!w返信の仕方も覚えましたんで大丈夫です。
それではまた!^^