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俺は女の子になったようです  作者: 甘党
俺は女の子になったようです
10/20

そのころの祐二

リコの登場によりギクシャクし始めた祐二と舜の関係。リコの徹底的な煽り攻撃を目の前にした祐二は・・・・・・

 (前話から1週間後の話)

 今日もとても面倒な日だった。

マラソン終了後、リコはすぐにやってきた。好かれようとは思っていないのだが、どうやら気に入られたらしい。まぁ女の子に気に入られるというのはまんざらでもないのだが。

(すっきりしねぇな)

 前から彼女が欲しいと上原をはじめ、舜(言うべきことではないのだが、なぜだろう)にもよく言っていたことだった。そしてついに、

「ねぇウチと付き合わない?」

 帰り際、とうとう言われた。自分でも結構肉食系だと思うのだが、

「ちっと・・・・・・待ってくれないか」

 と言って逃げてきたのだ。帰り道、いろいろ考えてみようと思ったのだが面倒になってやめた。

「かーっ」

 クシャクシャと頭を掻く。頭の中に浮かんでいたのは、この先あるであろうリコと過ごす日々ではなく、電車の中で自分を枕にして寝る舜の姿だった。

(好きとかじゃなくて、残されたあいつがどうなるか気になるんだよな)

 いろいろなことが噂されてきた2人の仲、(女子に聞いたら上原はないということだそうだ)知らないうちに、彼女を期待させたり、傷つけていたかもしれない。そして、今回のことをどう伝えたらよいのだろうか。勝手ながらこの関係は崩したくないのであった。


 翌日、

「よぉ、舜チャン」

 いつも通り挨拶を交わす。が、

「・・・・・・ん」

 と言っただけでどこかへ行ってしまった。やはりここ1週間ろくに話せていないし、機嫌を悪くしてしまっているようだ。

「ま、そういうこともあるさ」

 察したような口調で言う上原。

「お前に言われるようじゃ、おしまいだな」

 (今日もだりーな)

 席に着く。担任の原田が入ってきてホームルームを始める。

「祐二、昼休み。職員室な」

 またお呼ばれされたようだ。まぁもはや日課なのだが。

「木本君、起きていますか?」

「木本君、起きなさい」

「祐二、起きろ。顔洗ってこい」

「お昼前で大変でしょうけど寝ないようにしましょうね。木本くーん」

 午前のすべての教科で教師に起こされた。何もする気になれなかった。

(そういえば、リコが絡んできてからか・・・・・・)

 いつものメンバーとうまくいかなくなっているのはわかっていた。リコと仲良くしていく上では仕方のないことなのだが。そして・・・・・・

カタカタカタ・・・・・・・

今日の昼食は無言だった。祐二は職員室行きを理由に抜け出すことができ、ほっとした。あとは頼んだ、上原。祐二は職員室へ向かった。


 教室に入ろうとすると、教室は異様な雰囲気で満ちていた。窓から恐る恐る見てみると、

リコと舜が何やら口論をしている!?

「おい、何があった」

 ベランダに避難中の上原に尋ねる。

「ヤツが来たんだが、やっぱり舜のやつ機嫌悪くしてな。やらしく尋ねられて舌打ちしたらムッときちゃったらしくて。このサマだ」

「何やってんだよ」

 責任を感じ、祐二は止めに入ることにした。

「落ち着けってお前ら」

 とりあえず2人の間に入る。

「祐二」

 舜は一歩下がる。しかし血の気の多いリコはというと

「高峰さんはただの友達でしょ? なんでウチらの関係に入り込んでくるのよ!」

「落ち着けって」

 しかし聞く耳をもたない。そして舜は黙り込んでしまっている。

「ほら、この子ったら何も言えないじゃない。やっぱりダメな子ね。ほんとは祐二クンが好きなんじゃないの」

「ち、ちが!」

「言いすぎだリコ!」

 本当によく煽るやつだ。

「高峰さん、ウチたちが付き合うってこといったら、ものすごく怒っちゃうんだもの」

「おい、それはまだ・・・・・・」

 なんなんだコイツ、腹たって来たな・・・・・・

「だって認めないんだもん。自分が祐二クンに何とも思われてないことがさぁ」

(・・・・・・)

今にも泣き出しそうな顔の舜 こっちを見ている。

「高峰さん、あなたはねぇ? お人好しのユージンに適当に相手にされてるだけなのよ?ね?」

ツッ

何かが切れるような音がした。

「リコ!いいか!・・・・・・」

 祐二は気付かされた真実を胸に、大声を張り上げて言う。

 



どうも、作者こと甘党でございます。

今回は祐二回といったところです。視点を変えて、人物の状況がより詳しく書けたらと思いまして。

これから少し時系列が前後します。少し読みにくかもしれません。が、

2つのルートが、つながった!という場面がありますのでその時をお楽しみに!

なにかありましたらtwitterのほうまで! @amato_san

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