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Vol.028【カリスマラプソディー】

挿絵(By みてみん)


SoRaの世界。


何もない世界。


この非現実な世界で

これまでにない現実的な感情に押しつぶされそうになる。


やはり非現実世界って言っても

感情は強くなってる。


ショックだった。


俺は数少ないSoRaの情報を得るため

たった一つだけ残っていた

お祝い通知の中に入ってみる。


沢山のコメントが入っていた。


ここでSoRaの友達が確認できるだろう!


この一年にこの通知が来ているのならば

おそらくここへコメントしているアバター達は

100%SoRaの友達であろう!


過去の日記を消したあと、部屋に鍵をかけたとしたらフレンドしかコメントが打てない事実がある。


壮絶であろう様々な困難を目の当たりにしたSoRaだからこそ、鍵をかける必要があったのだろう。


そんな限られたSoRaのフレンドのリストを挙げてみようか。


SoRaのフレンドは10人。

俺がフレンドになったから今は表示が11人になっている。


SoRaが信頼できる10人を残して

過去を消し去ったのであるなら


その10人は必ず

ここにコメントを残しているはずだ!


SoRaに選ばれた10人なのだから。


そして俺は、そのお祝い通知にコメントしているアバターを確認していった。


みんな平均してコメントをしてるみたいだ。


統計を取ると……

どれどれ?


HiRo……ヒロ……

KenJi……ケンジ……

Miku……ミク……

KoYuKi……コユキ……

YuMe……ユメ……

SaNa……サナ……

RaMu……ラム……

RaIn……レイン……

ShiN……シン……


ん???


居ない……


一人いない。


この通知から1年もコメントをしていない友達がいるとなると、考えられるのは相手に何かがあったということだろう。


① 病気か

② 家庭事情か

③ 辞めたくなったか

④ 亡くなってしまったか


④以外、余程の理由がない限り

SoRaには理由を言ったり、報告をしたりするものではないか。


とにかく、何らかの事情でネバーランドにログインできていないと思われる。


言えるのは、そんなふうに来なくなったフレンドさえ、SoRaは消さないでいるということだ。


この10人以外、SoRaはフレンドを増やそうとしなかったのではないかという憶測もつく。


★の数は、SoRaの計り知れない精神と、ある力によって集められたものではないか。

そう考えてしまう。


あとひとつ……


これはもの凄く特徴的なことだ。


SoRaという名前。


通常なら

Sora

SORA

sora


こういった欧文にしていくのが普通だ。


独特なアバター名の付け方。


SRだけが大文字で

oaだけが小文字。


これはSoRaに対しての宗教的な世界を

感じさせる。


全てのアバターの名が

この法則に基づいて付けられているようにも思えてしまう。


SoRaの信者……


そんな不吉な予感に陥ってしまいそうになる。


旧約聖書では

神はまず1日目に天と地をつくり

暗闇の中に光を――


2日目に空

3日目に大地と海

4日目に太陽と月

5日目に魚と鳥

6日目に獣と家畜


そして7日目に休まれた。


自身のカタチを与え

ヤハウェによって創造されたアダムとイヴ。


やがて人類という神のしもべ達が

神の伝道師となっていく。


SoRaはそんなふうにして

この「SoRa」という世界を造り


★125000という

馬鹿げた数字を掲げているのか……


我ながら馬鹿げた発想だ。

だが何も手掛かりがない以上、

そんな事まで考えてしまう。


しかし神にもキリストにもなれやしないSoRaは

やはり普通の人だということ。


じゃなきゃ、全てを捨てない。


ありもしない空想や

まともな仮説が立てられなくなってしまっている今……


この目で情報を集めるしかない!


こんな事を細かく考えるようになってしまうのは

あまりにもSoRaの世界がミステリーに満ちあふれているから。


ごめん、SoRa……


読ませてもらうよ。


フレンドのコメントを。

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