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バンッ。
窓の方から、何かを叩きつけるような音がした。優斗は顔を上げる。
バンッ。
ベッドから起き上がると同時に、もう一度。
嫌な冷気を背中に感じながら、優斗はそろそろ窓へ近づき、カーテンを開けた。
白い、くっきりとした手形が窓に残っている。外に人影はない。気配もない。
……いたずら、かもしれない。
近所には小学生が多い。
そう思い、舌打ちしてカーテンを閉めると、優斗は携帯を片手にベッドへ倒れ込んだ。
バンッ。
メールを返していると、また鳴る。
バンッ、バンッ、バンッ、バンッ――。
狂ったように、割れんばかりに窓が叩かれた。
「何なんだよっ」
叫びながらカーテンを勢いよく開ける。
窓には無数の白い手形が、べったりと貼りついていた。
これは、いたずらじゃない。
さっきのも、いたずらじゃない。分かってる。
だって――ここは二階なのだから。




