聞いた話
初投稿です。温かい目で見守ってください
「人を呪わば穴二つ」なんて言葉がありますがね、ありゃあその通りでございますよ。
呪ってやりたい!くたばってしまえ!なんて思ってる相手に、直接手を下すことのできねえ奴らが使うのが呪いなんて見方もありますが…。
奴らの勇気が玩具だとしても、怨みだけはほんとってことを忘れちゃあいけねえ。
これはあっしが旅行先で味わった…怪談というやつではないんですが。
まあ読む分にゃ大した害はねえでしょうし、現にあっしもこうして四国の自宅でのんびりしてるってもんです。
さて、前置きを長くしちまえば聞いてくれるもんも聞いてくれねえ。んだ、話すとすっかあ。
こりゃ、あっしが九州に行った時の話ですわ。
というのも、あっしは結構な旅行好きでね。いつもは街のビルでリーマンやっとりますけど、金と暇さえありゃあ旅人なんだな、うん。
んでもって、あっしはドライブってんが好きでな。
特に山道、これがいいんだなあ。
景色をみるっつーよりも、雰囲気というか何か侘しさを感じるんだな。
そんなもんで、宿を見つけたらもうレンタカー目掛けて一直線よ。
ちょうど山間部の温泉宿でしたから、そりゃあ都合のいい立地だ。
宿選びにはレンタカーがあるかどうかをしっかり見てるもんですから、まあ少しボロっちぃとは言え文句一つつけず赤の軽に乗ったんすわ。
んで、そうっすねえ…。二、三時間かそんくらい走らせたあたりで左はガードレール、右は木々。そんな風な山道を通ってました。こういうんはたいてい一本道で、途中から車じゃあいけなくなるんが定番ですわな。
ですけど、車から偶々見えちったもんで。
何やら様子の変な建物があるわと。
パッと見たときは神明鳥居があったわけですから、随分と雰囲気のある神社だなあなんて思うわけです。
まあ長い旅の道中、そういう神社も幾つかあったもんですから別に特段気にしちゃあいやせんでした。
「ああ、ここにもこういうのがあるのか」と思ったくらいでしたね。
しかし、しかしですよ。鳥居の前を通った時は随分と変なものがあるじゃないですか。
それだけでは珍しいことでもありゃせんが、近くにお地蔵さんが三体ほどあったわけですな。
んで、罰当たりだなあって思うんですけど台座がなくてそこらに転がっちまってるんだ。
しかも、備えの花は水仙やら朝顔やらとあまり見ないものなんですな。
まあ、ここは結構田舎の方に来とりましたからそういうんもあるんかと思ってました。
ですが、そんとき不気味だったのはそう。
三体のお地蔵に大して、紙やら人形やらが大量に積まれてたことですわ。
日本人形なんかを想起するかもしんないですけど、それは違う。
ぬいぐるみとか、まあ色んなもんがありましたよ。
中には手作りじゃねえのか?って言うような物もありゃした。
不吉なもんを感じて怖くて怖くて、あっしは見なかったことにすべきか悩みましたが…。
怖いもの見たさっつーのは人間の心理のようで。
んなもんで、車を路肩に止めて鳥居に近づいたんですわ。
そうすると、神明鳥居にゃ注連縄がついてんのが大抵っすけど勿論そこにゃしめ縄があるんですわ。
しっかし酷い有様でしたよ。お天道様が見てるってのに、物怖じしない奴がいるんですね。
どうせ、そこらの不良どもがいきりたってただけだろうなと。私は思ったんですがね。
まあ、簡潔にいえば注連縄が神明鳥居にかかってると見たときに真ん中で切られてたんですわな。
そのせいで注連縄が片方ずつ左右から垂れ下がっちまってんです。
本当に罰当たりなやつがいたもんです。
そんなことをして何になるのか、甚だ疑問でした。
ですけど、気になったんは神明鳥居の周りにもそりゃたくさんのぬいぐるみやら人形やらが散らばったったことです。
あっしはそれを見て何か恐ろしい、それは幽霊なんかじゃなく人の生々しい体温のような薄気味悪さを感じたんですわ。
引き返すか、迷った上であっしは「南無阿弥陀仏」と唱えながら鳥居を抜けました。
まあ、石段なんかもなかったですし、獣道同然の道を歩きゃ建物が見えてきたんですね。
まあ、案の定ぼろっちいというかなんというか。
こりゃ廃墟なんじゃねえかな?人の気配もしねえし…。夜になりゃちびっちまうくらいに恐ろしい雰囲気を出すだろうから、地元の浮ついた若もんが肝試しに来て荒らしてんだろうな。
なんて出来た妄想を浮かべながら、目の前のあばら屋同然の拝殿に進むわけです。
しかし、珍しいもんですね。賽銭箱もなきゃ鐘もねえ。あるのはやっぱりぬいぐるみなんですわ。
…ここまで来ちまうと、変な好奇心ってのが溢れ出すことで。
そのまま本殿に忍び込んだわけです。ああ、でもすぐ引き返しやしたよ?
本殿の中は削り出した木材の香りがして、やっぱり廃墟みてえに薄気味悪いと言うか。
それに、何か人の吐息のような嫌な暖かさがあったんですな。
御神体があるんじゃねえかと思って見てたんですが、ああいや…ありゃ見なきゃ良かったな。
そこには、何かドス黒いもんがありまして。
チーズやら、何やらを腐らせたまった異臭がするんですね、うん。
動物やら何やらの死体が、積み上げられて置かれていたんです。
あっしは怖くなって逃げ出しました。
ああ、見なきゃよかった。見なきゃ良かった。
そのまま脇目も振らずに車に乗り込むと、その日は宿に帰って1日部屋で過ごしとりました。
そして、あっしの九州旅行は終わりでした。
まあ、あれがなんだったのかあ詳しくは分かりませんでした。ですが、九州のそこらに住んでるオカルト好きな友人に話を聞くととある話を聞かせてくれました。
それは「岩笹神山の人形恨み」という地域に伝わる呪術らしくて。主に嫌いな友人やら恋仲なんかに使うらしいですわ。
まず、恨みたい相手との関わりがあるぬいぐるみを用意するんです。プレゼントだとかなんでもいいです。話によれば、なんか相手のことを考えて作るだけでも良いんだとか。
だからみんな適当な手作り人形を使ったり、貰ったぬいぐるみを使うらしいです。
そしたら、ぬいぐるみの中に相手の体の一部を入れます。これが難しそうですが、呪いを使う人にとっちゃ簡単なんでしょうね。
そしたら、そのぬいぐるみをとある場所に持って、適当な場所に半分に切ったなんでもいいんで神社に売っているようなお守りを置いて帰る。
これで終わりらしいですが、一つだけ注意しなきゃいけねえことがあるらしいです。
呪いの手順のある場所ですが…。
なるべく音を立てず、痕跡が残らないようにしないといけねえらしい。
これが、私の聞いた一連の話です。ありがとうございやした。
話の構成が…結構雑になりましたね




