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謎に挑む者

エンカ視点の話です。

「左、左っ!絶対左だって!」


「今度こそ右なの~!」


…自分はエンカ、トレジャーハンターやってます。学園を出て三年、馬鹿な姉と、無鉄砲なカティの弟とともに遺跡を探索する日々です。

カティの弟ヴェクは、二年前、カティの紹介状を持って来ました。本人曰く、どうしてもこの仕事がしたいのだとか。…暴走する人が増えたので、正直、苦労しています。


「……多分下だよ…。…ほら……」


「「おおっ!!」」


…自分が、地面の石の板を一枚はがすと、はしごが下に向かって続いていました。


…自分がブレーキかけないと、多分すぐ死にます。通ってきた道には、白骨化した死体がいっぱい転がっていました。おそらく、罠にでも引っ掛かって、無理して進んだ挙げ句、死んだのでしょう。


「わっ!宝箱!」


「……《バーン》……」


「わわっ!?何するのエンカ!」


「……サクヤ…状況…見てから言って……」


…これみよがしに置いてある宝箱なんて、宝箱型の魔物、ミミックと相場が決まっています。自分の的中率、なんと100%。…だってミミックしかないんだもん…。


「ああ~っ!ミミックだ~!」


「……学習しようね……」

…刃物のような牙も、本来は異常に堅い装甲も、真っ赤にメラメラ燃えてます。「気づかれるまでは弱い」というのがミミックに対しての常識です。






…で、しばらく進んでいると、少し開けた場所に出て、また左右に道が分かれていました。


「今度こそ左だって!」


「うん~アタシもそう思う~」


…この二人の意見は完全に勘です。だから二択の場合は、2分の1で意見が一致します。


「エンカ~左でいい~?」


「……隠し通路もないみたいだし…大丈夫だと思う……」

…二人が好き勝手言っている間に、地面、壁、天井は一通り調べておきました。さっきみたいな隠し通路は一つも見つからなかったので、二人の勘を信じようと思います。…結構当たるので。


…左に進むとすぐに右への曲がり角でした。そのまま進むと…


「およ~?おんなじ形だね~」


…同じ構造の場所に出ました。


「じゃあ右…いてっ!」


「ヴェク~?大丈夫~?」


「大丈夫、大丈夫。すぐに止まるって」


…見れば、足元の白骨で足を少し切っていました。数滴、血が地面に滴り落ちていましたが、ヴェクの宣言通り、すぐに止まりました。


「右でいい?エンカ?」


「……うん……」


…で、右に曲がるとすぐに左への曲がり角でした。


「あ~、また同じ形~」


…のんきに言っているサクヤでしたが…


「……!?」

…自分は気づいてしまいました。先程と白骨の位置が同じであることに!まさかと思い、見てみれば案の定…


「……これ…おんなじ部屋だ…。…見て……」


「あ!オレがさっきケガした場所だ!」


…まだ乾いていない血…つまり、先程のヴェクの血があったのです。ハマり、無限ループ、この言葉が脳裏をよぎりました。


「……とりあえず…引き返してみよう……」

…そう言って、後ろに戻ってみました。




「……よかった……」

…幸い、引き返せばもとの道(ミミック焼いた場所)に戻ることはできました。帰ることはできます。


「じゃあさ、帰れることはわかったんだから、進んでみようぜ!」


「そうだね~」


「……わかった……」


…かくして、再び謎の部屋に挑むことになりました。






…そして、右、左、左と進んで、部屋に戻ったところで…


「およ?」


サクヤの足元からカチッ、というスイッチの音がしました。

すると上から、足、もも、腰、という順に金属の鎧っぽいものが落ちて来ました。その金属が腹、胸、と落ちて来たところで…


「とー!」


…サクヤが普通に跳び蹴りをかましました。おそらく、変な部屋の連続でイライラしていたのでしょう。蹴られた胸の部分がどこかに飛んで行きました。


…そのまま合わない形で肩、頭、と落ちて来たので、うまく組み合わず、ガシャンと音を立てて崩れました。要するに、変身しているヒーローに攻撃したのです。外道です。


「どんなもんだ~!」


「オレもやりたかった!」


…絶対に子供向け特撮に出してはいけないと実感しました。


「……行こうか……」




…それから適当に進みました。しかし、相変わらず同じ部屋の連続です。


「……法則…あるのかな……?」


…しかし、来る前の下調べでも、遺跡内の壁などにも、一切ヒントになりそうな物はありませんでした。


「あーもう!ムカつく!」


…ヴェクが腹立ててさっきの鎧の残骸を蹴っ飛ばしました。強烈です。マジックサッカーの選手でもよかったのではないのでしょうか?


…蹴られた兜は、勢いよく道のない壁に飛んで行きました。けっこうな騒音が鳴ると予想されたのですが…?


「「「え!?」」」


…消えました。ええそれこそ9と○分の3番線のように。


「なんで~?」


「……多分…あの鎧を出してから…特定のルートを通るんだと思う……」


…条件を満たしてから特定のルートを通る、は無限ループの相場の一つです。この部屋にだけ特別な魔術がかかっています。昔々、そんな古代禁術が流行ったのです。


「……右右左右左左左右左右……」


「なにそれ?」


「……鎧…倒してからのルート…。…逆算して調べれば…いつかわかる……」


…根気のよさもトレジャーハンターの必須スキルです。


「……じゃあ始めよう……」


「「………」」


…二人はこの手の作業は嫌いです。




「……右左左左右左右…と……」


「疲れた~」


…いちいち調べるのは、確かに面倒ですが、いい加減な情報を流せば、信用に関わります。


「エンカさん、サクヤさん、奥に行こうぜ!」


「……行くよ…サクヤ……」


「ふえ~」




「……うん…ここが最深部…。…古代の遺産だらけだ……」

…といっても、ほとんどが歴史的な物で、いわゆる金目の物はほとんどありません。


「……さて…帰ろうか……?」


「オレたちが解明者になるんだよな!?」


「……うん…。…この遺跡はだれも解明してないから…協会に報告すれば……」


「名誉なことだよ~」


「テレビとか新聞に出るかな!?」


「……どうかな…価値による……」


「とりあえず報告しに帰ろうぜ!エンカさん、ルートは…」


「……当然……」


「よっしゃ!善は急げ!」


…そうして、遺跡から出ました。






『…続きましてのニュースは…、また一つ遺跡の謎が解き明かされました!』


『非常に貴重な遺跡で、解明者のエンカさん、サクヤさん、ヴェクさんは、魔術協会から表彰されることになっています。日にちと場所は…』




「……表彰…あそこでやるんだ……」


「…兄貴の街だよな!?」


「……うん……」


「じゃあついでに遊びに行こうよ~!」


「……そうだね……」


「兄貴たち、元気にやってるかな?」




…これで、自分の話は終わりです。

…また機会があれば、会うこともあるでしょう…。

エンカ…いわゆる無口キャラとして作りました。サクヤは双子の姉です。かなり初期設定に忠実に進み、キャラ崩壊は起きませんでした。


サクヤ…元気系キャラです。ストーリー上で役に立ったことはありませんが、かなりの高身長で巨乳キャラでした。…使い道考えればよかったです。


ヴェク…元気系その2です。サクヤとの差別化するため、かなり無鉄砲な性格付けをしました。ちなみにマリィとは双子ではありません。ヴェクが四月生まれで、マリィが翌年の三月生まれです。この設定も役に立ちませんでした。




…更新が遅れて申し訳ありません。終わった反動か、異常な鈍筆になってしまい、なかなか進まないのです。完結は必ずしますので、気が向いたときにでも見に来てください。待ってます。

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