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【完結】2度愛された女  作者: ぺこりーの
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神との契約

これまでのあらすじ



華は竜二が前世では誠という名前だったことを明かした。



そして華は女優であったこと。


誠が新聞記者であったことなども・・・・



住む世界が違う二人がどうやって知り合ったのか。


また誠と華が一緒に脱走したことなども話す華。



そして若くして死んだ誠の死の理由は・・・・・



生き残った華のその後の人生とは・・・・



※いよいよラスト2話で終わり!




神と対峙した華もまた、神々しく美しかった。


きっとこの光景を見た人は、どちらが神なのかよくわからないだろう。


それほど華の美しさは際立っていた。




シルエットの神は口を開くことはなかった。


しかし華には神の声が聞こえた。


それは直接心に語りかけるような重みのある響きだった。




とても心地いい・・・


華は神の声を聞いてそう感じた。




『人はここで来世へと生まれ変わる。


お前は今までの記憶をすべて忘れ、来世でまた新しい人として生まれ変わるがそれでよいか。』




華は目を閉じ、心に響き渡るような神の言葉をしばらく噛みしめた。



そして華はハッとした。


華は神の言葉に、何か胸のあたりが急に揺さぶられ始めた。


忘れかけていた記憶のトリガーを神が引いたのだ。




その忘れかけていた記憶とは・・・




『神様!私は来世でどうしても果たさなければならないことがございます。


私は今世の記憶を持ったまま誠という男にどうしても会わなければなりません。


そうじゃないと今の世で死ぬことすらままならないのです。



どうか神様!


どんな条件でも結構です。


私にこの世の記憶を持ったまま来世で誠に会わせてください。』




華は神に対して一気に自分の願いを話した。


神はしばらく沈黙していた。


そしておもむろに華にこう語りかけてきた。




『この世の記憶を持ったまま来世に生まれ変わるということは危険なことだ。


そのため課される条件はたいへん厳しい。


それでも記憶を持って来世に行くか?』




『はい!』


華は条件を聞く前に即答した。




なんの迷いもなかった。


たとえどんな条件を課されようと、私は来世で誠に会って恩を返すのだ。


そうでなければ来世はもう人に生まれ変わることすら望まない。




いや、生まれ変わらなくてもいい!


華は強くそう思った。




華は声には出さなかったが、おそらくその華の想いは神には伝わっていた。


そして華は神と契約を結んだ。



しかし神との契約は残酷な契約だった。




神との契約は次のような内容だ。


1、華は誠の記憶を持ったまま生まれ変わる代わりに、来世ではこの世の誠の寿命までしか生きられない。


2、特別な条件を得たものは、もう2度と生まれ変わることはない。



この二つが条件だった。




例え華が来世に生まれ変わったとしても、この世での誠の寿命は短い。


享年31歳で誠は亡くなっているのだ。



そして華が31歳で死んだら、もう二度と生まれ変わることもないと神は言う。




規則を破って生まれ変わろうとする者に神は厳しかった。


それはそうだろう。


死者がみんな前世の記憶を持って生まれ変わったとしたら、それこそ人の世界は大混乱に陥る。


そのために、もう二度と生まれ変わらせないというような厳しい条件が設けられているのだ。




しかしそんなことより華は、また誠に会えるのが嬉しかった。


これで誠にようやくお礼が言える。




『誠、私のためにありがとうと・・・


そして来世では今度はあなたが長生きする番よ。


私があなたを助ける!』




華の決意は固かった。








いよいよラスト1話!!

明日は最終章『2度愛された女』へと続きます。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 今日もありがとうございます。 いよいよクライマックスで題名の謎も解けてきました。 [一言] さらに誠さんの前世を遡れば、小説は永遠に続きますね。続編も期待してます。 (*˘︶˘*)✨✨✨
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