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本性

 千沙との密会を見られた後、俺は部屋に戻り、普通に就寝した。もちろん、戻る途中に【感知】を使って周囲を調べてはいたが、それらしい人物の気配はやはり感じなかった。そもそも王城全体を感知出来る程に範囲は広くなく、精々自分の周囲二十メートル程度だ。

 収穫が無い事は分かっていたので、特に落胆も無かった。


 そして朝を迎えて翌日になり、朝食を食べる為に大食堂に足を運んでみると。


「おっはよー、タカくん!」

「おはよう、(くすのき)さん」


 楠が笑顔で朝の挨拶をしながらこちらに向かって来た。

 昨日の様に朝から俺の部屋に突撃して来ない辺り、目撃者は楠かとも思っていたが、普段通りの様子からして違うようだ。偶々、今日は来なかっただけか、昨日で満足したのかは知らないが。

 相変わらず興味の無い話を一人で喋る彼女に関しては、一応は目撃者候補から外してもいいだろう。


「今日も朝から重そうなご飯なのかなぁ……美味しいんだけど、ちょっとアレなんだよね」

「どうだろうね、そういう食生活がこの世界では当たり前なら、同じかも」

「嫌だなぁ、肌荒れそー……」


 その点は同意する、と考えながら集まっている生徒達を見回していく。第一候補ではないが、確認しておいて損は無い。

 特に違和感や、不自然さがある生徒は見受けられないが……禅銅(ぜんどう)が見当たらないな。既に大半の生徒は集まっているし、アイツは昨日俺より早く来ていた。まあこれだけで禅銅が目撃者だとは言えないし、単なる寝坊という可能性もあるが、違う動きを見せられると、やはり警戒してしまう。


「おはよう、皆」

『おはようございまーす』


 禅銅が居ないなら仕方ないと、他の生徒をつぶさに観察している内に、千沙(ちさ)が食堂にやって来た。

 生徒達に挨拶し、昨日とは違い、俺の近くには座らずに適当な席へと座った。一瞬、こちらに目配せをしていたので、彼女も目撃者を探すつもりかもしれない。


「でさー、やっぱ昨日の禅銅が言ってた事ってありえないよねー」

「え?」

「ほら、千沙先生の為に俺達も戦うー、的なアレ」

「ああ、あれね」


 いつも通り勝手に一人で話していた楠から、昨日の禅銅のやらかしの話が振られてきた。


「あたし達が戦う理由がそれってちょっと違くない? 確かに先生には色々助けてもらってるし、お世話にもなってるから、困ってたら助けてあげようかなとは思うけど、それとこれとは話が別みたいな?」


 意外だな、どうせ周りに同調していると思っていたが、楠は禅銅の行動に反対のようだ。

 少し興味が湧いた。存外彼女は物事を深く考えられるというか、平和ボケした学生とは違う考えがあるのかもしれないと思い、聞き返してみる。


「先生が困っているなら助けるけど、いくら困っているからってそれに命を賭けてまでは無理って事?」

「そうそう。だって戦争じゃん、しかも日本の戦争って訳でもないし、ぶっちゃけ他人事じゃん。なのに、いきなり呼ばれて戦ってくださいとか意味わからなくない? その戦う理由も他人(千沙)の為だし、全部他人の為とか、あたし的にはありえないんだよね」


 他人の為というのが嫌、という事だろうか。確かに特別な感情や経緯が無ければ、自分の命を張ってまで誰かの為に戦ったり、助けようとする事なんて誰しもしないだろうな。今の大半の生徒は、ただアイツがそう言うなら、コイツがそうするならと、周りに流されているだけだ。

 更には、ギフトやスキルなんて言う力まで手に入れれば、自分の身に危険が及ぶ事など考えもしていないかもしれない。それについて、楠はどうなのだろうか。


「でも、僕達には勇者の力……ギフトやスキルがある。その力があるなら、必ずしも命を賭ける事にはならない、とは思わないの?」

「んー、そのギフト? スキル? ってのもちょっと信じられないんだよね。別にその存在が信じられないとかじゃなくてね? 昨日試したし。何が言いたいかって、その力を使うのってあたしじゃん。今までそんなの使ったことないし、それって自分の安全を保障してくれる物なのか信じ切れなくない? あたしが元々持ってたものじゃないのも余計に気味が悪いっていうか」

「なるほど……」


 いやはや、まさかここまで考えているとは驚きだ。

 ただ他人の為に自分の命を危険に晒すのが嫌だと言うなら、理解は出来るし、その通りだと頷くが、それは誰もが思う普通の気持ちだ。

 だが、楠は力を手に入れた後の自分についても客観的に見れているし、その力自体にも疑問を抱いている。普通は銃や剣、ここで言えばギフトやスキルを持てば気が大きくなったりする。実際に生徒達の中にはそういう奴も見受けられたし、俺も面白そうだと少し浮足立つ部分はあった。

 しかし彼女はその力を扱うのは自分でしかなく、使った事も無い武器を自分の身を守る物とするには信用足りえないと考えている、更にはその力が与えられた物でしかないという考えすらも抱いている。


 楠は確実に他の生徒とは違う考え方を持っているタイプだ。これは俺の見誤りだな、と過小評価していた自分を戒める。いつもの言動から所詮は周りに流されていると思っていた。

 こういう状況下になったからこそ、彼女の普段は見られない部分が出てきたのかもしれない。


「タカくんは? どう思ってるの、そういう力とか戦う事について。やっぱり他の皆みたいに、自分は凄い、この力があれば大丈夫って思う? 先生の為に戦える、周りがそう言うならって思っちゃう? それとも――あたしみたいに考えてる?」


 一転して、楠は俺に問い返してきた。表情はいつも通り、あざとさが垣間見える可愛らしいと表現出来る物だったが、目が違った。こちらを見透かそうとしているような、観察する目。

 ある疑念が俺の中に浮かび上がる。

 まさか……いや、そうなのか?

 もしそうだとしたら、楠は……疑念を解消する為に俺はその問いに答える事にした。


「そうだね……概ね楠さんと同じだよ。戦争なんて言う自分の命が危うくなる事には参加したくないし、ギフトやスキルについてもそうだね。所詮は与えられた力で、いつ消えるのかも分からないし、もしかしたら相手に通用しない可能性だってある。仮に参加するとしても、戦争って言うくらいだ、僕達だって相手を“殺す”事になるかもしれない。そんな事が出来る度胸も考え方も、僕達は持ち合わせていない……と思う。もしその時になって、殺せません……なんて事になったら、危険なのは自分だ。やっぱり、今の状況は不味いと思ってる」


 俺は()()()()()()、自分の考えを楠に伝える。


「……ふふっ。そっかぁ、そうだよねぇ……タカくんがあたしと同じ考えで良かった!」

「ああ……僕も楠さんと同じで良かったよ」


 満面の笑みを浮かべている楠を見ながら、疑念が確信に変わった。

 彼女は俺に、三上隆景(みかみたかかげ)と言う男に探りを入れていたのだ。初日も、昨日も、そして今日も。自分と同じ考えを持ち、この現状に不満を、疑念を、異議を抱いているかどうかを。

 そして、俺は楠とまるで同じとまでは言わないが、似たような考えを持っている。その事を彼女は確信したからこそ、こうして意味深な間と笑みを浮かべているのだろう。

 もし違う考え、他の生徒と同じなら彼女はどうしていたのだろうか。見放す? いや、それは無いと考える。寧ろ、自分の考えに賛同するように手練手管を弄するだろう。そして自分の味方を増やし、次第に楠の考えは生徒達に浸透していき、いつか全員が自分に同調するようになり、彼女の考えの元、全員が動くようになる……と言うのは、仮説にしても考え過ぎだろうか。


 どちらにせよ、楠が俺に探りを入れていたのは確かだ。もしかすると他の生徒達にも同じ様な質問を投げ掛けていたのかもしれない。思い返せば、異世界に来てからはいつもより彼女の接触頻度が少ないように見える。

 やはり、俺だけにそういう話をしているとは考えにくい。何度も探りを入れていたのは、俺が曖昧な返事が多く、確証を得られなかった為だろう。まあ俺も楠がそんな事を考えているとは思ってもいなかったので、かなり適当な対応をしていた。


 もしそんな事を考えていたと知っていれば、もっと真摯に向き合っていた。本当に素晴らしいよ、楠有栖(ありす)

 使える、それこそ千沙よりも使えるだろうと思ってしまう。

 

 普段の情報収集能力や、今しがた垣間見た彼女の、周囲には悟らせずにこちらを探り、あわよくば自分の考えに同調させてしまうおうとする強かさと思考能力。どれも普通の高校生には無い物だ。

 今後は、彼女も千沙の様に駒として……いや、副官の様な立場になってもらうのも良いかもしれない。そして何より、楠は俺に好意を抱いている。

 何度も俺に探りを入れて確認しようとしているのは恐らくそれが理由だ。確証が得られないなら、後回しにしても良いし、ある程度の賛同者が揃ってしまえば、外面だけ見れば俺の様なタイプは流れに身を任せてしまう人間に見えているはず。それなら放置しても害にも益にもならない。にも拘わらずという事は、例え本性が自分の賛同者を増やし、影から支配しようとしていても、その好意だけは変わらないという事。

 本気で楠を取り入れようとするなら、その好意は利用出来る。そろそろどうすべきかと考えてはいたが、丁度良いタイミングで彼女に利用価値が―――


「お食事中に失礼します。ライアン王より伝言で、勇者の皆さまは速やかに玉座の間に来て欲しいとのことです」


 数人の騎士が突然、大食堂へと入ってきて、その内の一人がライアン王の伝言とやらを伝えてくる。何かあったのだろうか。


「突然だな……了解した。ただ、生徒が一人まだ来ていなくて――」

「勇者マモル殿ですね。マモル殿は玉座の間におりますので、ご心配には及びません」

「なに……?」


 千沙がそれに返事をするが、まだ一人……禅銅が集まっていない事を伝えようとすると、大食堂に来なかった禅銅は既に玉座の間にいると言われる。

 さて、どういう事なのか。何故大食堂に来ず、玉座の間にいるのか……また馬鹿な事でも王に言ったか。目撃者の第一候補でもある禅銅の不審な動きは面倒な事この上ない――――。


 ……待て、もしかしてあいつ……俺と千沙の事を王に伝えたのか? あいつが目撃者であれば考えられる事だが……。


 しかし、伝えてどうなる。はいそうですかで終わる事でしか…………いや違う、俺だ。俺のギフトだ。



 昨日のギフトとスキルの試験で、俺の能力は大半の生徒が知っている。禅銅も、もちろん知っているだろう。

 〘身心操奪〙の能力は身も心も操り奪う事。もしかして、俺が千沙をその能力で操っていると思い込んでいるのか? そしてその事をライアン王に伝えた……そういう事なのか。

 確かに、今までそんな素振りも雰囲気も見せていない俺達が、あんな事をしているのを見れば、そう思うのも無理は無い。いやそう考えるのが自然だ。

 そこまで頭が回らなかった、そもそも、こんな能力を手に入れたばかりで考慮すらしていなかった。でなければ俺がこんな失敗をする事なんてありえない。

 そうと確定した訳ではないが、もしそうなら不味い。


「では皆さま、速やかに移動をお願いします……それと、タカカゲ殿は我々と共に最後尾から付いてきていただけますか」


 騎士の一人が生徒達を先導し、残りの数名が俺に近寄ってきてそう言った。

 これは確定だな。俺がギフトを使って、千沙の心を操っていると思われている。実際に騎士達も俺と目を合わせず、不自然に泳いでいる。


 はぁ……この世界に来てから面倒な出来事しか起きないな。少し性急に動きすぎたか? いやそうなった原因も禅銅だ。よって、全て禅銅が悪いな、うん。


 俺だけを最後尾にして騎士達が取り囲むような形になったので、明らかに不自然さを感じた生徒達はこちらを訝し気に見つめているし、千沙と楠は不安そうにこちらを見ている。

 玉座の間までに良い案が浮かべばいいが……思い込みと言うのは厄介だ。果たして誤解を解けるかどうか。千沙に対する恋心と言うのも禅銅の思考に靄を掛けているだろう。今後俺の扱いがどうなるか。事と次第によっては……ともかく、行き当たりばったりになってしまうが、仕方ないだろう。








 玉座の間には、多くの騎士が守る様に王を囲んで立っており、その中にはアーサーもいた。その他にも王よりかは煌びやかではないが、派手な時代錯誤の服を着た者達もいた。多分貴族か何かだろう。どれも見た事が無い奴等だ。好き勝手に貴族同士でお喋りを楽しんでいる。

 そして何より、王の近くには禅銅の姿もあった。

 玉座の間に入って来た俺達、いや、俺を憎々しい目付きで睨んでいる。すっかり勘違いしているご様子だ。あいつからすれば、俺は大好きな女を無理矢理操り、その唇を奪った卑劣で薄汚い男なのだろう。


「勇者の皆さまをお連れいたしました」

「ご苦労、お前は下がってよいぞ」

「はっ」


 先導していた騎士は礼をし、言われた通りに下がっていった。


「何かありましたか、ライアン王。いきなりの呼び出しですが」

「何か、か……そうだな、重大な出来事があった。とても嘆かわしい事がな」

「嘆かわしい、ですか……それは生徒、禅銅が大食堂に来ず、ここにいる事と何か関係が?」


 悲痛な目で千沙を見るライアン王は、完全に禅銅が伝えたであろう勘違いを信じているようだ。

 その事に気付いていない千沙は、その嘆かわしい事とは何だと考えつつ、禅銅について尋ねる。


「ああ、彼は私にその重大な事を伝えてくれた。感謝の念が絶えないよ、彼が突き止め、教えてくれなければ、恐ろしい事になっていた」

「一体何が……?」


 千沙から視線を外し、厳しい目付きで俺に目を向けるライアン王。その目も俺の目とは合わせないようにしているが。

 千沙もその視線を追って、俺に辿り着くと、まさかと言った表情になる。


「勇者三上隆景、君は何故こうなったか理解しているかね」


 こちらの話を聞く気があるのか知らないが、分からない振りをした方がいいか。

 今、千沙の事を弁明しようとすれば、それが悪い事と自覚している事になる。俺にとってはそれが自然な事でしかない風を装った方がいい。


「いえ、全く分かりません。俺と何か関係が……?」

「とぼけているのか、本当に理解していないのか……まあどちらでもよいが」


 残念そうな顔つきで頭を振った王は、この場にいる全ての者に聞こえるよう、通る声で悪しざまに宣言した。


「この者、三上隆景は魔族と戦う為に授かった力を悪用し、勇者御舟千紗の心を操り、卑劣で下衆な行為に及んだ!」


 突然の王の宣言にザワつく周囲の者達。生徒達は一瞬、何を言ったのか分からず、きょとんとしていたが、次第にその意味を理解し、俺へと視線を向け始める。

 そして、千紗は青ざめた顔で俺を見ていた。


「よって、勇者三上隆景、この者を追放処分とする!」


 追放、か……。なるほど。

 流刑と言う事だろう、殺されないだけマシとも言えるが、右も左も分からず、縋る寄る辺も無いこの世界では死刑判決と同義だった。


「何か異議はあるか、三上隆景よ」


 異議はあるかと聞くが、決め付けるように王が言い渡したのだ、端から弁明を聞く気は無さそうに見えるが。

 さて、ライアン王の考えは大体分かった。外れていてもそれはそれで良いし、そこはどうでもいい。寧ろここからの立ち回りが――


「待って下さい!」


 声を張り上げたのは、異議があるかと問われた俺ではなく、千紗だった。


「御舟殿?」

「それは誤解です! 私は彼に、三上隆景に操られてはいません!」

「どういう事かね? では何故、彼とそのような行為を?」

「それは……」


 まあそうなるな。操られていないとなれば、次に追求されるのはその点だ。

 そんな事はしていないと嘘をつかなかっただけマシだが。


「それは?」

「それは……私が彼と、隆景と元々そういう関係だったからです……」

「ほう……では御舟殿と彼は恋仲の関係であったと?」

「……ええ、まあ……その通りです」

「ふむ、だそうだが? どういう事かね、禅銅殿」


 ライアン王は、この事を自身に告げてきた禅銅へと問い掛ける。訂正したい箇所があったが、余計に拗れそうなのでとりあえず黙って見ておこう。


「いやいや、王様考えればわかるっしょ! 三上と千紗ちゃんが付き合ってるとかありえないし、それも三上に操られて言わされてんだよ!」

「まあ、そういう事だろうな」

「なっ――」


 禅銅はもちろんの事、その禅銅の言葉に頷き、分かりきっていたと言わんばかりの口調のライアン王に、自分の弁明がまるで相手にされないと唖然とする千紗。

 仕方の無いことだろうなと内心溜息をつく。


 俺が千紗を操っていないという証拠は無く、証明すら出来ない。いくら口で説明した所で、ギフトと言う能力がその弊害となる。こちらの好きな様に言動を操れるのだ、俺が言動を操作していると思われているのなら、千紗の弁明はまるで効力が無い。

 禅銅の視点、いや生徒全員の視点から考えても俺と千紗がそういう関係なんて事実には辿り着かない。

 どうしても、俺が操っていると言う誤解と言うなの解が出てしまう。


「ま、待て! 隆景! 君も黙っていないで何とか言え!」

「いい加減にしろよ三上! てめぇいつまで千紗ちゃんの心を操ってんだ! 女に相手にされないからって金で気を惹いて、挙句に無理矢理なんて本当に屑の中の屑だな!」


 そこで俺に振られても……。俺が弁明したところでどうしようも無いだろう。せめて第三者に振ってくれ。

 禅銅は勘違いを加速させて、勝手に一人でキレているしで、もうめちゃくちゃだ。

 どうしようか、なんて考える暇は無い。


 ――それに、既に俺の答えは決まった。








「あー、いや、ちょっとした出来心と言うか……試しに使ってみたらどうなるのかなって思ってしまって……つい」

「え――」

「は……?」


 俺の答えに、千紗は何を言っているのか理解出来ないと呆然とした表情になり、禅銅は潔く認めた俺に拍子抜けしたように口をぽかんと開けている。


「では、認めるのだな? 自分の行いを」


 ライアン王は、俺が自身の行いを認めた事に特に動揺は見せず、深く追求もせずに淡々と話を進めていく。


「まあ、はい。ただ、僕も悪気があった訳じゃなくて、単なる好奇心だったんです……その辺を考慮して、少しばかりご寛恕いただきたいんですけど……」

「ならぬ。単なる好奇心であれば、直ぐにギフトの効力を解けば良かろう、にも関わらず行為に及んだと言うことは、そういう目的が心の内にあったという事だ」


 それらしい事を言って、反省の色を見せずに許してほしいと宣う俺。もちろん、許されるわけも無い。


「あー、いや、その……ギフトの解き方が分からなくて。そうこうしてる内に、あんな感じに……僕も正直困ってるんですよ」

「んなっ!?」


 スラスラと口から出るでっち上げの嘘っぱちを聞いて、禅銅が絶句する。

 ヘラヘラとまるで反省していないように作った態度と言葉には、周囲も驚いている。こんな事になってもそんな態度を取れるのかと。


「てんめえぇぇえッ!!」


 俺のあまりな言動に激昴し、殴り掛かってくる禅銅。大体予想はしていたが、案の定の行動に内心呆れながら、大人しく殴られるつもりだったが。


「止さぬかッ!」

「っ!?」


 ライアン王の一喝により、禅銅の激昴は諌められた。と言うか迫力のある声過ぎて、驚いて思わず止まってしまったようだ。


「その様な挑発に乗れば思う壷だぞ、禅銅殿。まるで反省の余地が無いこの者を相手にするだけ無駄だ」

「あ……うっす」


 すっかり昂った感情は萎んでしまったようで、変わらずこちらを睨んではいるが、大人しく引き下がって行く。


「では、宣言通り、三上隆景を追放処分とする! これ以降の異議は認めん!」


 こうして、俺の追放処分は決定され、最早その決定は覆る事が無くなった。

 貴族と思わしき者達はヒソヒソとこの件に関してを囁き合い、生徒達は蔑みの目で俺を見ていた。


「え、いや、待て……隆景……? 何を言っているんだ……?」


 理解出来ないと言わんばかりの表情で、俺にフラフラと近寄って来る千紗。

 既にギフトの解除が出来ない事は明かしている、今後の千紗が俺への想いを語ろうと、どれだけ暴露しようと、それは俺に操られた影響で言ってしまう台詞として認識されるだろう。


「どうしてだ……俺が守ると、背負わせろと言ったじゃないか……なのに、どうして……?」


 七難八苦とまでは言わないが、異世界に来てから彼女の境遇は散々だな、と思いながら、言葉を返さずにただその姿を見つめる。


「なんで黙っているんだ、何か言ってくれ……言え! 隆景ぇ!」

「千紗ちゃん! 落ち着いて、もうあんな野郎の言いなりになる必要は――」

「触るなぁ!!」


 その姿を見ていられなかった禅銅が、千紗を止めようとするが、余計に感情を乱れさせ、禅銅を突き飛ばす。

 突き飛ばされると思っていなかった禅銅は、尻餅をついて、呆然と千沙を見上げていた。

 普段の御舟千沙からは考えられない乱れ様に、禅銅含めて生徒達は驚きのあまりに固まってしまっている。


「なぁ、隆景? どうしてなんだ? 何か私が失敗したか? ならそう言ってくれ、直すから、もう失敗しないから……!」


 突き飛ばした禅銅には目もくれず、遂には俺に抱き着き、縋るような言葉を吐く彼女は、それはそれはあまりに酷い洗脳に見えただろう。まぁ、実際心の隙につけ込んで多少は刷り込みをしたが……。

 ともかく周囲の人が見れば、俺がそう操っている様に見える。


「見ておれぬな……あやつを牢に連れていけ!」


 見かねたライアン王が、俺を牢に連れて行かせる様に騎士達に命令し、その言葉に騎士達も動き出す。

 寄ってきた騎士達は、千紗を引き離し、俺の手首に手錠の様な物を掛ける。そんな事をしなくても大人しく付いて行くんだがな。


「離せぇ! いやだぁ、隆景! 置いて行かないで……それならせめてっ……私も連れてって!」


 引き離された千紗は錯乱し、暴れるが、それでも所詮は一般人。

 簡単に騎士に抑えられ、必死に手を俺へと伸ばしている。俺としては錯乱し過ぎてギフトかスキルを人に向けて使わないかと心配だが。そんな事になれば色々台無しだ。

 やはり少し依存させ過ぎたかもしれない。


「ほら、歩け!」

「はいはい……そんなに押さなくても歩きますよ」


 何も語らず、ただ千紗を見つめていた俺に痺れを切らした騎士に背中を押され、無理矢理歩かされながら、玉座の間を後にする。


 ――その背に千紗の悲痛の叫びを浴びながら。











 連れて行かれた牢で、どのくらいが経っただろうか。体感時間で一日以上は経った気もするが、残念ながら窓の無いここでは、正確な時間は分からない。

 恐らくは地下に位置するこの石畳の牢は、室温と石が身体を芯まで冷やし、鉄格子越しに見える蝋燭に照らされた薄暗い景色は、肉体的にも精神的にも徐々に疲弊していきそうだ。おまけに飯も出ないし。

 まあ追放処分と言う事は、ここに長く拘留する訳では無いのだろうし、なら飯も要らないと判断されているのかもしれないが。


 朝食を食って以降、何も口にしていないので喉は乾くし腹も減っているから早くして欲しいものだと思っていると、コツコツと石を叩く足音が聞こえてきた。

 規則性は無いので、複数人だろう。やっと来たか。


 現れたのは、普段着の様な服を着た男三人。特徴的な甲冑が無いため一瞬分からなかったが、身体付きの良さと腰に下げた剣から騎士だと分かった。なんとなく()()は分かるが、少し露骨な気もする。


「出ろ、追放の準備が整った」


 男の一人がそう言いながら、牢の扉の鍵を開ける。

 それに素直に応じ、ゆっくりと牢から出る。

 しかし、あれだけ敬うような口調だったのにちょっとした事で随分と態度が変わるものだ。元々大して敬ってはいなかったのかもな。


「抵抗はするなよ、そうすればお前を斬らなければならない」


 見せつけるように腰の剣を揺らすと、男達は俺を囲むようにして歩き始めたので、それに合わせて俺も進み始める。手錠は外して貰えないようだ。


 石造りの階段を上り、城内の長い廊下を歩き、一度は通った城への入口を抜けて、城の裏手の城門から外に出て行く。

 夜も更けている様で、大きな月が頭上に来ており、人々の喧騒も聞こえない。明かりも点いていない所を見るに、完全に寝静まっているのだろう。

 元の世界では、例え夜中でも多少の人や明かりが見えるので、そう言う所でも世界で差異があるのだなと感じた。


 それにしても、お見送りも無しとは寂しいものだ。むさ苦しい男三人に囲まれながらとは泣けてくる。

 こんな時間だから仕方が無いのだろうが。


「キョロキョロせずにさっさと歩け」

「あいたっ……そんなに急ぐ必要ないじゃないですか、大人しくしてるでしょ」

「無駄口を叩くな、歩け」


 景色を見ながら考え事をしていたのを咎められ、ドンと背中を押されて歩かされる。

 まるで人目につきたくないかの様に急かしてくる男達。そこからどんどんと人気が無い場所へと歩かされて行き、周囲の景色はガラッと変わる。


 すっかりまともな建物は消え、乱雑に積み上げられた建材の山と大きな城壁だけしか見えなくなった。恐らくは建設現場の様な場所なのだろう。ゴミの山にも見えるが、どっちでもいいか。


 少し予想していた展開と違ったが、まあ問題は無いか。


「それで、僕はここからどうやって追放――」


 されるんですか、と言葉を投げかけようとした時、背後で急激に膨れ上がった殺気を【感知】スキルで捉える。

 咄嗟に右に転げ回ると、俺の立っていた場所に剣が通過していく。どうも性急に動く奴らだな。


「……まさか避けるとはな」


 そんな言葉を吐きつつも、動揺は無く、振り抜いた剣を構え直してこちらを見据える男。そして俺を囲むように他の男も、剣を抜いてこちらの動向を伺っている。つまりどういう状況かと言うと、絶体絶命だ。

 真夜中に連れ出されたのも、人気の無いこの場所に来たのも、全ては俺を殺す為。きっといくら叫んでも誰も助けには来ない、いや聞こえないだろう。


「なるほど、僕を殺すつもりなんですね」


 俺の言葉に返答はせず、ジリジリと間合いを詰めてくる。そりゃ今から殺す奴と問答する必要は無いか。

 月明かりのみが光源となっているせいで、よく見えないが、恐らく男達は俺のギフトやスキルを警戒しているのだろう。

 すぐさま突貫して来るわけでもなく、間合いをはかっている理由はそれだ。いくら手錠はされていても、【格闘術】と【身体能力強化】のスキルは危険と分かっているのだろう。

 どの道この暗さでは意味も無いだろうが、目も合わせないようにしているはず。

 ぶっちゃけ滑稽だな、それ程までに警戒していようが無意味なのだから。


「残念です、このまま普通に追放してくれるなら良かったのに」


 きっとこちらの言葉など意に介さず、どうやって俺を殺すかを考えているだろう男達に向けて、心底残念そうに呟く。

 実際の所は少し手間が掛かって面倒だなと言う気持ちなのだが。


 意識を集中させて、息を吸う。吐きだされるのは、助けを求める叫びでも、命の危機に怯える泣き言でも無い。

 俺と言う人間の性質を表した“コトバ”の力。




「〘動くな〙」




 それまで間合いを詰めていた男達が、一斉に止まる。さぞかし驚き、困惑し、現状が理解出来ないだろう。


「な、何故……?」

「目は見ていなかったはずだ……!」

「情報が間違っていたのか!?」


 突然ありえない事が起きたのに、すぐさま自分の状態を把握する所は優秀かもしれないな。まあ、どれほど考えを巡らせても、最早逃れる術は無いが。


 正直言うと、〘身心操奪(しんしんそうだつ)〙が効くかどうかは賭けだった。いくら俺がアーサーに嘘の情報を言おうと、それを信じて目を合わせないだけの対策のみとは思えなかったのだ。

 しかし、実際は俺の予想を下回った。存外、頭が悪いのかもしれないな、異世界人は。


「いやぁ、本当に馬鹿で助かった。通用しなかったら、無理矢理突撃して脱出、なんて真似しかなかったからなぁ」

「……まさか、情報は元から嘘と言う事か!?」

「だとして、何故……!」


 張り詰めていた気も落ち着き、へらへらと笑いながら独り言を喋っていると、俺の言葉から情報を抜き出してどうしてこうなったのかの理由にたどり着いたようだ。


「んー、まあ端的に言えば、俺はあんたらを信じて無かったって事だな。いやそれが普通だと思うぞ? いきなり呼び出されて、はい私達の為に戦って下さいとかアホだろ。妙にあの王様も胡散臭いし、魔族とやらが本当なのかも怪しいしなぁ。もしかしたら別の人間の国と戦争なのかもしれないし、拒否したり、何か失敗したらこっちの身に何かあるかもしれないだろ? なら、保険くらい掛けておくよな、普通。しっかし、意外と早く保険が効いたわ、もうちょい先になると思ってたけど、ほんと考えなしばっかだわ」

「な、にを……言っているんだ、貴様は……」


 懇切丁寧、端的に説明してやったと言うのに、理解不能と言わんばかりの反応だ。

 やっぱ馬鹿かな?


「まあどうでもいいだろ、俺の事は。あんたらは失敗した、ただそれだけだよ」

「何故こうなると予想していた? 最初の攻撃を避けたのもそうだが……自分が――」

「殺されると分かっていたかって? 王様に聞け、アレが性急過ぎるから気付いたんだよ」


 本当に性急な奴だった。

 こちらの言い分もまともに聞かず、まるで俺が悪だと決めつけて、禅銅の言葉のみを鵜呑みにする対応。些か、国の王としては残念過ぎる対応だ。

 どうにも、俺個人に何かある気がした。予想としては、俺のギフトだろうか。大方、ギフトの能力を危険視してとかそんなとこだろう。

 追放だけで済むとも思えない。危険視している奴を野放しにしておしまい、なんて事はありえない。確実に始末する為になんらかの策を講じる筈だと考えた。まあ、かなり杜撰な策だったが……もっと効率の良い策はあるし、実際そっちを想定していたんだがなぁ。


「王が貴様を暗殺するのを予期していたなら、それこそこうして、ここにいる理由が……」

「え、そこも? そこも説明すんの?」


 全て一から人に説明してもらないと気が済まないのだろうか。


「単に、()()()()()()()

『は……?』


 異口同音に同じ言葉が出る男達に近付きながら、周囲の気配を探るが、付近に気配は感知出来ない。まあ二十メートルそこらじゃ大して意味も無いが、使わないよりマシだ。


「貴様は……何を考えているんだ? わ、分からない」

「いや今言っただろ、ニワトリかお前。仮にあの場を凌いでも、次があるだろ? 今度はいつ来る? どんな手だ? 一々考えるのがまず面倒。そもそもそういう悪評が付くと、自然と周りからもそういう奴なんじゃないのかって疑われ始めんだよ。それも面倒。そんな面倒な環境なんて捨てて、おさらばしようって話。こうして対策もあったし、殺されずに外に出られるならあの場は素直に従っておこうって思っただけ。分かった?」

「貴様はこの世界では右も左も分からない者だ! ここから抜け出せたとして、どの道死ぬ事には変わりないだろう!」


 そんなの簡単だろう。


「人を操れるんだぞ? 金を貰ったり、物を貰ったり、知識だって貰える。その気になれば女に身体を差し出させる事も。ほら、色々出来るだろ」

「なっ――」

「クズ野郎が……!」


 酷い奴らだ、殺そうとしてきたと思えば、今度は罵倒とは。

 訴えたら勝てちゃうレベルだ。


「はぁ、自分の価値観と違うからって否定すんのは良くないと思うぞ。互いを尊重して、助け合っていかなきゃな」

「貴様のそれは価値観などではなく、ただの利己的な衝動に過ぎん! 己の欲望の為だけに他者を利用して――」

「あー、うんうん。そうね、そういう考えもあるね」


 話が長くなりそうだし、この問答にも飽きてきたので、目的を果たす。


「実はさ、俺って千紗にギフトの能力を使ってないのよ」

「私腹を肥やす最低の――なに?」

「だから、あんたらで試させてもらうな」


 俺に斬りかかってきた男の目を見て、〘身心操奪〙のもう一つの能力、心を操り奪う能力を掛ける。

 果たしてどれほど便利なのか。


「――すまなかった、タカカゲ殿! 俺がどうかしていた! 親友の貴方を傷付けようとし、あまつさえ殺そうとするなど……謝って済む事ではないがっ」

「お前、何を言っているんだ!?」

「どうしたんだ!?」


 なるほど、本当に目を見て念じるだけで、思った通りに心を操れるらしい。今回は俺に対して友愛、それこそ唯一無二の親友と思ってしまう程の感情を植え付けてみたが、その効力は絶大の様だ。

 先程まで俺を罵っていた男が、涙流しながら謝っている。


「はー、なるほど、これは凄いな。あー、気にしないで、謝ってくれるならそれでいいから」

「し、しかし……ただ謝るだけでは…………あ、れ? 俺は貴方に、あ? なんだ? 何故俺は貴方にこんな感情を、分からない、分からない、わか、わから…………あ、あぁああぁあああ!!」

「ん? どうした?」


 様子がおかしい。どうしたのだろう? 狂ってしまったように叫び続ける男に首を傾げる。


「ああああああぁあっ! 何故! 何故なんだ! 俺は貴方を親友だと思っているのに、殺したい! 何故だぁ!? うああぁっ、ああっ!」

「おい大丈夫か!?」

「貴様、一体何をした!」


 うーん、もしかして……大きな感情を植え付けると、本来あった別の感情とごちゃ混ぜになってしまうのだろうか? このままだと精神が壊れて廃人にでもなってしまうのか? 元々心なんてあやふやで曖昧な物だし、脆そうだ。取り扱いに注意かもな。


「まあ色々制約がありそうとは考えてたが。手っ取り早く心を壊すって用途であれば使えるくらいか……もう少し試してみたいが、時間も無いし、また別の機会にするかぁ」

「こ、の外道がァ!」

「うっさい、〘喋るな〙」

「――――!」


 どいつもこいつもうるさくて仕方ない。こっちは考え事をしてるんだよ。それにいくら周りに人がいなくても、これだけ声が大きいと起きてしまう住人もいるかもしれない。

 考察はこの位にして、国を出る為の準備を始めるとしよう。


「じゃあまず、〘この男を殺せ〙」

『……!?』


 白目を剥いて痙攣し始めた男を指さし、命令する。

 驚愕の表情を浮かべて、剣を抜く二人。


「まあ安心しろよ、殺させるのはその男だけだ。全員殺したら俺が生きてるのバレバレだろ?」


 二人が剣を振り抜き、男の身体を切り刻んでいく。

 涙を流しながら仲間を解体していく二人と、切り刻まれる苦痛に絶叫すら出せずに死んでいく男。

 辺りに散った血をどう処理しようかなぁ、なんて考えながら、俺はその光景を眺めていた。















 地平線から日が昇り、世界を照らしていく。その眩しさに、手で日差しを遮り目を細める。

 すっかり時間が経ち、朝になってしまった。少し眠いが、早めにここを離れた方が良いだろうと、後ろを振り向けば、巨大な石造りの壁がそびえ立っていた。

 クビディターテム王国からは既に出て、その入口に俺は立っていた。


 生かしておいた騎士の男二人には、俺の命令を破れば自死すると言う命令をしておいた。本当なら記憶を消したかったが、どうにも人間の心や身体は繊細だ。廃人になられたり、なんらかの異常があればすぐに襤褸(ぼろ)が出る。仕方なく、自分の命を天秤に掛けさせる事で口封じとした。流石に自分達も死にたくない筈だ、自分の命を投げ出すつもりなら、あの時既に俺に歯向かって来たと思う。


 どの程度の期間、その効力が続くのかは検証出来ていないので分からないが、この国から離れられる時間さえ稼いでくれればそれでいい。

 旅に必要な食料も水も金も()()()。ひとまずは安心だろう。


 それにしても、こんなにのびのびとした気持ちは久しぶりだ。ここから、俺の異世界での“退屈しのぎ”が始まるんだ。

 面倒を捨てて、何もかもをリセットして、一から始まる、この清々しい門出を祝うとしよう。





 晴れやかな面持ちをしているだろう俺は、元気良く一歩を踏み出した――――。

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