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ポゼッション 8
その刑事は安曇と言って、亜弓の頃から少年課の有名な刑事だったという。
「アタシが謝りに行ったらさ、スッゲー懐かしい顔があって。そう、アタシがあん頃に散々メーワクかけたデカだったんだわ。そしたら向こうもさ、オマエひょっとして「テポドンあゆみ」かって。え? それアタシのあだ名だよ、若けー頃の」
「有名だったのよお、蒲田のレディース「デビルキャッツ」の「テポドンあゆみ」って。この長い脚が相手の後頭部をガツーンてヒットすると、みんな物も言わず倒れちゃうって」
「でもよ、何だよその「テポドン」って。ダサ。今改めて言われると、マジダサ…」
あのトラにしてこの母有り。成る程、と健太は深く頷いた。「テポドン あゆみ」。確かにダサ過ぎる。そこも深く頷く。
「でさ、そん時にその安曇ってデカに言われたんだよね。お前の息子はホントのワルじゃない。根は真っ直ぐで良いヤツだ。でもな、ちゃんと周りの大人が支えてやらねえとこんな事になっちまうんだぞって。あれは効いたわー。その通りだもんなあ…」
「いやいや。ママは良くやってると思うよ。ちゃんとご飯作ってるし、学校行事もよく見に行ってるし。でも、確かにこの年の男の子ってさ。父親、大事だよね…」
何故かミキがチラッと健太を見る。




