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DMF 4
二年前。赴任の挨拶の為、壇上に上がった時。私語と野次は挨拶が終わるまで静まることはなかった。授業中も私語どころかゲーム、スマホ、時には乱闘が起き、今時こんな中学がこの世に存在していることが信じられなかった。
生徒だけでなく、副校長の中野先生も責任は部下に押し付け、手柄は自分で持っていくと言う最悪の上司であり、たまの飲み会では体を触られたりもして、何度この学校からの転出を考えたことだろうか。
それでも一美を思い止まらせたのは、学生時代にバレー部で全国大会出場というプライドである。練習中に吐くなんて当然。気を失うほどの練習を重ね、鍛え抜かれた根性だけは誰にも負けない、と言う自負があるのだ。
その根性を持ってしても、どうしてもこの学校の子たちには、未だに慣れない。それもよりによって、不良の巣窟(と一美は信じ込んでいる)であるサッカー部の顧問をやらなければならないとは…
私、このままでいいの? こんなヤンチャな子たちに小馬鹿にされながら、あんな嫌な上司にネチネチされながら、それでも教師を続けるべきなの? 他にやるべきことがあるんじゃないの?
人知れず思い悩む一美なのである。




