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直接フリーキック 7
「後。英語。これは壊滅的… キミ、海外でサッカーしたいんでしょ?」
「…… そっか…」
釣り垂れ上がっていた目が虎の目となる。
「どの国に行くとしても、英語は基本。絶対出来なきゃ、ダメ」
「ハイ…」
「はい?」
一美は思わず聞き返してしまう! あのトラが、真面目に「ハイ」と返事をした!どこまでこの子は変わって行くのだろう。どこまで私はこの子を伸ばせるだろう。
「とにかく。読書と英語。これだけは毎日少しずつ、やっていこう」
「ハイ」
「英語、良い参考書を英語の大滝先生から聞いておくわ。それまで一年生の頃の教科書を復習すること。出来る?」
あっちゃー。トラは頭を掻き毟る。
「そんな昔の教科書。とっくに捨てちまったって…」
「そ、そう… 仕方ないわね。ちょっと待ってなさい」
一美は立ち上がって会議室を出て行った。
その後ろ姿を、トラは教師に対して初めて感謝の気持ちを抱きながら見送っていたものだ。




