207/440
ディレイ 4
「ビックリしました、正副二着をフルセットで揃えるなんて…」
「それと。何人かは今履いているスパイクじゃ試合に出られないんだ」
「そ、そうなんですか?」
「うん。ユニフォーム二セットに新しいスパイク。全部で四〜五万円はかかるよね」
「…そうですね… 部費で補填できればいいのですが… 部費は大会参加費と試合球の購入で既にないんです」
「うーーん、なんかいい手はないかな。そうだ、ユニフォームは何処で作っているの?」
「ずっと前から納入してもらっている地元の業者なんです。そこに見積もり出してもらって…」
「そうかー。ちょっと待ってて」
健太は立ち上がり、喫茶店の外に出て電話をかける。
カッコイイ! 今の一連の仕草なんて出来る男、って感じ!
一美は健太の後ろ姿に惚れ惚れとしてしまう。
(目がハートになってるし)
(ま、確かに今日のオッちゃん、ちょっとアリかも)
(それな。最近ちょっとオッちゃん臭くない、かもー)




