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パズルのピースはハマらない!  作者: 湯呑み茶碗
第二章の様なもの
43/43

piece.42 モヤモヤと前半戦

さては、書き方忘れてるな?

ということでおひさ

 こんにちは! チウです!

 思ったのですが、このパーティあまりにも物理特化すぎますよね。物理に強いスライムなどを相手にする時は骨が折れそうです。

 ⋯⋯あ、いえ、私の打撃に属性魔法を乗せれば良いだけですね! 忘れてませんよ? ええ。


********************


 金属同士がぶつかり合う音。


 それが幾度となく背後でなり響く中、俺は眼前の機人族に対し対応を拱いていた。


「物理無効⋯⋯斬っても斬ってもモヤが体を修復するっつーのは反則じゃね?」


 眼前の機人族にいくらダメージを与えようとしても、斬ったそばからモヤ、調整力が癒し治す。

 治すというより復元。斬る前の状態にされているような感覚。


「そのくせっ俺はモヤに触る事はできないっと!」


 アレが俺にどんな影響を与えるかわからない以上、不用意に触れるわけにもいかず。

 モヤを纏わぬ部位を攻撃しているわけだが⋯⋯まあ前述の通り。


「魔法なら通るか? いや、無い物ねだりはするだけ無駄か」


 ぼやきながらもモヤによる攻撃を避けながら、意味がないと分かっていても、斬撃を行う。

 有効打が打てない以上、これ以上戦況が良くなる事はない。


「さて⋯⋯どうしたもんか」


*****視点遷移*****


「鎧さん⋯⋯どうにかしてモヤを取り除けないでしょうか⋯⋯」


 戦闘開始から数分。

 鎧さんの攻撃を鋼杖で捌きながら、方法を模索する。

 銃を弾き飛ばした時点で脅威はほとんど無いため、ソーマ君の元へ鎧さんがいかないよう、足止めしつつ時間を稼ぐのが私の仕事。

 可能であれば鎧さんの洗脳⋯⋯調整力を振り払うことが出来れば最善なのですが。


「頭を吹っ飛ばすわけにもいきませんし、どうしましょうか」

「惨劇。親の頭を目の前で吹き飛ばされたらトラウマものですね」

「アルフさん余裕ですね⋯⋯」


 アルフさんの冗談? に若干苦笑しつつ、迫る鎧さんの手を打ち払う。


「足の一本は勘弁してもらいましょうか!」

「推奨。足の一本と言わず四肢全て飛ばして頂いても構いません」

「親に対する言葉とは思えない!」


 冗談ですよねぇ!? と冷や汗をかきつつ、低い姿勢で踏み込み鋼杖を横へ振り抜く。

 足を払われた鎧さんは一瞬宙へ浮き、地面へ倒れ込む。


「苦言。チウ様、それでは機人族は止まりません」

「ええ! なので⋯⋯!」


 アルフさんの声に応対しつつ、倒れ込んだ鎧さんの右足を抱えて、本来曲がらない方向へ力を入れ、思い切り曲げ切る。

 鎧さんから悲鳴は上がらない。痛覚がないのか、意識が無いのか。詳細は分かりませんがこれで⋯⋯。


「アルフさん! 機人族でも、ここまでやれば立てないですよね?」

「困難。機人族といえど人体の構造に反する動きは出来ません。立つ事は難しいでしょう」


 思いつきでやりましたが、有効であったようです。ですが二度とやりたくないですね、感覚が生々しくてキツいです。


「賞賛。チウ様は関節技をも使いこなすのですね」

「いえ、特に技というわけではないのですが⋯⋯」


 これで鎧さんは無力化出来ました。銃を初っ端に弾き飛ばせたことと、動きに繊細さが欠けていたことで、案外難しくはなかったですね。


「アルフさん、壁はどんな状態でしょう? まだ保ちそうですか?」

「余裕。有象無象の攻撃など、問題になりません」

「頼もしい限りです! それでは私はソーマ君の援護に」


 そう言いながらソーマ君へ目を向けた瞬間、私の横を凄まじいスピードである物体が通り過ぎました。

 その物体からは、黒いモヤが伸びており、アルフさんの作った壁に叩きつけられたようです。

 もしや助太刀など不要だったのかと、さすがソーマ君ですと、頭をよぎったのは彼を神聖視しているからでしょうか。


 叩きつけられたのは。

 モヤに包まれているのは。


 ソーマ君、でした。


********************


 理解不能。

 理解不能理解不能理解不能。


 ソーマ様? 何故? 


 私は目の前の光景を受け入れられずにいた。


「ソーマ君!!」


 チウ様の声にハッとし、振り返ると。

 チウ様がこちらへ駆け寄ろうとし、その背後から別のモヤが腕のような形になり、チウ様に襲いかかるのが見えました。


「危険! チウ様!」

「くぅ!?」


 身体を捩り、なんとかモヤを回避しながら、ソーマ様を拘束するモヤに杖で殴りかかるチウ様。


「ソーマ君を離せぇ!!」


 モヤは攻撃をものともせず、なおもソーマ様を縛りつけ続ける。

 ソーマ様は意識を手放してしまっているようで、ピクリとも動きを見せない。

 チウ様は頭に血が上っているようで、意味のない攻撃をモヤに対して行い続けている。


 私がなんとかしなければ。

 まずは呼びかけを!


「指示! ソーマ君を縛りつけている本体です! そのモヤに直接攻撃は通用しません!」

「そんな事! 彼を放っておけないでしょう!?」

「怒声! 少し冷静になって下さい! ソーマ様は私が救出します!」


 私の張り上げた声に、ハッとした顔を浮かべ、少し気まずそうにしながら、チウ様は小さく頷く。


「⋯⋯ごめんなさい。アルフさん、お願いします!」


 そう言うと反転し、元凶の機人族へ向けて駆け出す。

 チウ様、そちらはお願いします。

 私はチウ様から目を逸らし、ソーマ様を見据える。


「錬成!」


 私は壁を構成する金属を使用し、ソーマ様を包み込む球体を作る。外気から遮断することで無理矢理モヤを断ち切ろうとしたため。

 ソーマ様が叩きつけられたのが、私の壁で良かった。壁自体は少し薄くなってしまうが、問題無し。

 完全に包み込むと、球体から黒いモヤが離れ霧散する。


「救出。どうやらモヤからは離せたようですね」


 球体を壁に戻し、中を確認すると黒いモヤは既になく、気を失ったソーマ様のみ。

 錬成により、ソーマ様の身体を自身の近くへ運び声をかける。


「呼掛! ソーマ様!」


 地面から手を離せないため、声でのみ覚醒を促すが、効果は薄いようで。

 私は片腕で壁の維持が出来る様、意識を集中し右手でソーマ様の頬を軽く叩く。


「懇願! 目を覚まして下さい! ソーマ様!」


 のんびりはしていられない。

 こうしている間でも背後ではチウ様が元凶を食い止めてくれている。


「謝罪。申し訳ございません!」


 強めに頬を張り、覚醒を促す。


 バシンッ


「⋯⋯」


 何度も。


「⋯⋯たい」


 バシンッ!


 何度も何度も。


「⋯⋯ってば」


 バシンッ!!


「ソーマ様!!」


 ドゴスッ!!!


「だから痛いって!!」

「歓喜! お目覚めになりましたか!」

「なりましたか! じゃねえよ! 痛えよ!」

「しゃ、謝罪⋯⋯」

「あー⋯⋯いや、悪い。助けられたんだよな? って、今の状況は!?」


 目を覚ましたソーマ様は飛び起きると、チウ様が戦っている方へ向き、状況を確認する。


「チウが1人で戦っているのか! 俺も合流しねえと⋯⋯ッ!」


 駆け出そうとするもその場に膝をついてしまうソーマ様。


「心配! ソーマ様、大丈夫ですか!?」

「くっ⋯⋯立てないほどダメージを負ったつもりはないんだが⋯⋯」

「予想。あのモヤには感情操作以外にも何か特殊な力があるのかもしれません」

「体力だか魔力だかを吸われるってか? んなチート臭え⋯⋯」

「疑問。チート?」

「ああ、いや、それは後でな」


 チートというのは何なのでしょうか。話の流れから察するに、不正やズルという風に聞こえますが⋯⋯と、無駄な思考は不要です。


「質問。あのモヤの攻略法は何か思いつきましたか?」

「⋯⋯悪い」

「否定。そも規格外を相手にしているのですから、仕方ありません」

「物理攻撃は効果がなさそうだって事ぐらいしかわからん⋯⋯待てよ?」


 ソーマ様が顎に手を当て、何かを思考し始める。


「疑問。何かありましたか?」

「いやな、どうして俺に対して感情操作を行わなかったのか。そこが気になってな」

「⋯⋯!」


 あの時ソーマ様は完全にモヤに掴まれる形で壁に叩きつけられていた。

 モヤを使って感情操作を行うのであれば、条件は満たされていたはず。

 これまでの事例と今回、相違点は⋯⋯種族?


「予想。純粋な人族に対しては、不可能?」

「それは早計だ⋯⋯と言いたいところだが」


 ソーマ様はチウ様と機人族の戦闘を見つめながら、続ける。


「チウに対しても操作を行おうとする素振りが見えない。完全に物理的な攻撃を行なっているように見える」


 四方八方から襲いくるモヤの猛攻を、身のこなしで全て回避しつつ、本体に杖で殴りかかるチウ様。

 防御は無意味と悟ったのか、人外じみた動きで回避から攻撃へ、すぐまた回避へ⋯⋯チウ様は本当に人間なのでしょうか?


「一応人間のはずだぞ⋯⋯多分」

「滝汗。何故私の⋯⋯いえ、確かに見る限り捕まえ様としているようには見えませんね」

「そもそも攻撃自体が当てらんねえのに、捕まえるのは不可能だと判断してるのかもしれねえけどな」


 そう言うと膝に手を当てながら、ゆっくりと立ち上がるソーマ様。


「疑問。ソーマ様?」

「ちょっち回復したし、1人でいつまでも戦わせるわけにはいかんだろ。行ってくるわ」

「苦言。そのような状態ではむしろ足手纏いになると思われますが⋯⋯」

「盾ぐらいにはなれるさ。というか、女に戦わせて後ろで考察やら解説やらする男は、玉取っちまえと思うわけ⋯⋯と言う事で!」


 そう言うとソーマ様は駆け出し、チウ様の元へ向かう。

 お二人が時間を稼いでいるうちに状況を変える一手を、私の役目はそれを見つける事だと判断。

 思考、考察、予測⋯⋯。


 何か有効打を与える方法は⋯⋯。

 先程から見ている戦いの様子から、ある策を思いついた。

 私は思いついた策を試すために、地面についた腕を起点にくるりと反転。前方で戦闘を行う2人に声を掛ける。


「呼掛! 試したいことがあります! ご協力を!」

タイトルも内容もスカってる感がある。

大々的に書き直すかも。

時間見つけてちょこちょこ書くのって逆に難しいね

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