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パズルのピースはハマらない!  作者: 湯呑み茶碗
第零章 神と無茶振りと旅立ち
2/43

piece.2 神と語らい

他の小説ほったらかしてなにやってんだ

「いや、それなんてダ○ネス?」

「伏字の意味あるのかそれ」

「うっせーな誰も気にしねぇよそんな事」


 もしかしたら素晴らしい世界の方々から怒られるかもしれないなぁと心中恐々としつつも、話を進める。


「剣士が剣で攻撃できない? ヤバくねそれ」

「激ヤバだな」

「じゃそいつは今どうしてんのさ」

「大きな商人の庇護下に入って商いをしているよ」


 そいつは何とも⋯⋯。


「そういうやつこそ、職業変更してやるべきなんじゃねえのかよ、ってかスキル云々だったらアンタら神がどうにかできねえのか」

「やってみたさ、職業変更もスキル削除も⋯⋯だが」

「だが?」

「職業もスキルも瞬く間に元に戻るのだ。呪いのようにな」

「呪い⋯⋯ねぇ⋯⋯」


 俺はここまで聞いた情報を元に気になる点を質問していく。


「アンタら神に恨むを持つ野郎とか、もしくは神に謀反者はいねえのか?」

「それも第一に調べたさ、結果は察する通りだ」

「見つからなかった⋯⋯もしくは見つけられなかったという事か」

「うむ⋯⋯そこでだ田中、貴様にお願いする内容だが」

「大方世界側から調べてみろってんだろ」

「話が早いな」

「アンタら神は世界に降りられない⋯⋯表現が正しいかわからんが、そうだろ?」

「その通りだ、職務を投げ出せない事もあるが、それ以上に我々が下界に降りると問題が発生する」

「問題ってのは?」

「存在感⋯⋯という言葉を使おうか、我々はそれが強くてな、下界の人々に悪影響を与えるのだ」

「死んだりするのか?」

「軽くてそうなるだろう」


 軽くて死ってなんじゃい。重いとどうなっちゃうんだよ。


「人というのは死ぬと魂だけの存在になる、今の貴様のようにな」

「ああ、今俺って魂ってやつなのね」


 そんじゃ俺の元の体は今頃500gぐらい軽くなってんのかね。


「いや貴様の体はぐちゃぐちゃの挽肉状態だから500gといわず」

「生々しい表現やめてくれませんかねぇ!?」


 あんまりグロい表現するとR18になっちゃうのほぉ!


「話を戻すぞ、重い場合はまず魂が狂う」

「狂う?」

「人であったことを忘れ、狂乱すると言ったほうがいいか」

「それは実体験からか?」

「いや、言い伝えとしてだな。少なくとも私は狂った魂を見たことがない」


 鵜呑みにはできんが、一考の余地ありだな。


「なるほどな、アンタらが下で動けんのはわかった」

「うむ他には?」

「目星とかないのか?」

「いや、全く。情けない話だが、前例もなにもないのでな」

「そんじゃ世界の果てまで行ってなんちゃらしないといけねえわけだ、こいつは重労働だな」

「気が変わったか?」

「変わるもなにもまだ受けるとは言ってねえよ、ノリで受けていい話でもないだろこりゃ」


 と表面上は話す俺だが、もう話を受けることは決めていた。何故か? 何故だろうな。


「正義感でもないし同情でもない、これは単純な好奇心だな」

「好奇心?」


 俺の言葉に小首を傾げる転生神。


「ああ、きっと俺は神様でもお手上げなこの状況に好奇心を抱いているんだろう」


 力でも知恵でもなく、ただただアンノウンな事象に霹靂としている神々。そんな状況を作り出しているのは誰なのか、目的は何か。はたまた自然現象、災害なのか。これは正しく⋯⋯。


「受けよう、この話」

「受けてくれるか」

「ああ、それでアンタは俺の転生に際してどれだけ補助が効くんだ?」

「うむ、それについてはだな⋯⋯」


 俺の質問に対し、一つ一つ説明をしていく転生神。

 長いからカットだ、箇条書きで纏めるとこうだ。


◆転生神ができること!

・ステータスの成長速度変更

・見た目




 ⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯いや少なくね?


「二つしかねえじゃねえか!!」

「いやはや冷静に考えてみたら、転生を管理する私ができるのなんてこの程度の事だったな!」


 ハッハッハと笑う転生神、ふっざけんなよお前!大体見た目ってなんだ見た目って、これからにクソほど役に立たねえじゃねぇか!


「おっと忘れるところだった、初期ステータスもある程度は弄れるぞ」

「じゃあ成人男性かつ戦闘職の100倍ぐらいにしてくれ」

「いいけど生まれた瞬間、というか受精卵の状態でパァンするぞ」


 手をにぎにぎして俺にそう告げる転生神。

 パァンってなんだよ破裂? こええよおい。


「何でステータスあげただけで破裂すんだよ!」

「強靭な能力にはそれに見合った器が必要なんだよ」

「じゃあ器も操作しろよ! 見た目弄れるならいけんだろぉ!?」

「そしたら母体がパァンするけどいいのか?」

「言い訳あるかクソッタレェェェェ!!」


 なんで生まれた瞬間にそんなスプラッタ見なきゃいけねぇんだよ!


「ステータスの成長速度ってのは大丈夫なのか?」

「齢によって成長速度の上限が変わるが常にその齢の最大値になるようにしておこう、ざっと同年代の100倍で全能力が成長するぞ」

「いやそれパァン前提じゃね、怖いんすけど」

「齢ごとの成長速度上限があると言っとろうが、それさえ守れば問題ない⋯⋯はずだ」

「おぃぃぃぃ!? そこは自信持って言ってほしいんですけどぉぉ!?」

「ダイジョブダイジョブ、オニーサンチョトシンパイショーネー」

「アレェ!? 神様キャラブレてない!? ブレッブレじゃない!?


 カクカクと動きながら怪しい外人さんのような喋りを披露する転生神に怒りと困惑と恐怖を抱きながら、頭絵を抱える。


「うおおおおお怖え何だこの神、他の神もこんなんじゃないだろうな!?」

「私が一番まともな方だと思うぞ」

「まともな奴は自分の事まともって言わねぇんだよ!」


 もうやだ!おうちかえりたい!


「⋯⋯じゃステータス成長速度はそれで頼むわ」

「えっマジ? 本当にいいのか?」

「お前ふっざけんなよ!? その態度不安になるからまじやめろよ!」

「ハッハッハ、イッツアゴッドジョーク、ハッハッハ⋯⋯成長速度についてはわかった、対応しよう」

「それから⋯⋯俺の記憶は9歳になるまで封印してくれ」

「良いのか? 子供時代から無双できる希少なチャンスだぞ?」

「今更よちよちからやり直すなんざ拷問以外の何者でもねぇよ、ただし」


 そこで一度俺は言葉を切り、転生神を見据え告げる。


「生まれてから9歳まで、全能力を効率よくあげられるように補助してくれ、そういうお告げとか出来るだろ?」

「生まれて間もない頃から暫くは可能⋯⋯だな。一応権限内で出来そうだ」

「そんじゃ生まれて間もない状態の俺を洗脳でもしてきっちり修行させといてくれや」

「言い方に悪意を感じるな」

「愛情表現だ」

「うわぁ⋯⋯」

「ガチで引かないでくれません!?」


 顔を引きつらせ俺から距離を置く転生神にほんの少し悲しみを覚え、少し涙が出た。


「それじゃ私の方で諸々対応が終わったら転生を始める、何か言い残すことはあるか?」

「⋯⋯ねえ何でこれからトドメを刺すような言い方なんすかね」

「そうか⋯⋯貴様の母国には伝えよう、勇敢であった⋯⋯と」

「おいふざけんな⋯⋯そうだなぁ、あ。 そうだ」

「むっ?」


 俺は徐々に俺を取り巻く光の粒の中で、思いついた俺なりのとびっきりの意地悪を言葉にする。


「転生後の姿は、とびっきり別嬪なアンタの超絶好みな見た目にしてくれや!」

「はぁ!?」


 俺の言葉に顔を赤くしながら、眉を潜めそう言い返してくる転生神。

 へっへっへいい気味だぜ、これまで色々弄られたお返しだ!


「じゃあな美人さん! 次会うときは、異変解決した後にでもだな!」

「全く貴様は⋯⋯ああ! すまないがよろしく頼む!」


 先ほどの仏頂面から一転笑顔になった転生神はそう俺に叫ぶ。よっしゃ、そんじゃいっちょ⋯⋯あれ? なんか忘れてるような⋯⋯あ”。


「ちょちょちょちょ!転生ストーップ!!」

「はぇ!? も、もう止められないぞ!?」

「だぁー!融通きかねえな!一個だけ最後に質問だ!」

「⋯⋯!! なんだ!?」


 俺は薄れゆく景色と意識の中で、叫んだ。


「俺がその異変の対象になることってねえよなぁ!?」


 俺の言葉に転生神は。

 ギョッとした顔をしつつ、冷や汗を流しながら、こう呟いたように見えた。


───多分

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