表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
94/119

第89話 古城の亡霊



 クレアの実力を見ている時、国王がこちらにやって来た。何か嫌な予感がするんだが。


「ちょっといいか、二人とも」


「ああ、いいぞ」


「どうしたのですか、お父様?」


「今回の家庭教師の件なんだがな、クレアに教えつつ、あるクエストをこなしてくれんか?」


 やはり予想は当たっていたみたいだ。前から思っていたが、この人は少々人づかいが荒い気がする。こっちだって人間だから疲れるんだけどな。


「まずその内容を教えてもらってもいいですか?」


 俺はひとまず内容を聞いた。内容次第でも返答は変わってくる。


「この国の外れにある古城の調査を依頼したい。報酬は…何か欲しいものを用意しよう」


「古城と言うと、あの噂の?」


 クレアは何か知っているみたいだ。噂になっているのか、その城というのは。


「その通りだ。実は冒険者ギルドにもクエストとして出しているのだが、誰一人としてこなした者がいないのだ。しかも数名は城から帰還していないとか」


「なるほど。ということは強い魔物とかがいる可能性が高いですね。そういった情報は帰還者から聞いてないのですか?」


「それが全員怯えきった様子でな。まともに話も出来ないのだ。だが、手がかりなら一つだけある」


「それは?」


「帰還者の全員がぶつぶつと呟いているのだ。『亡霊が襲ってくる』とな」


「ひっ!!」


 クレアは驚いたようで、俺の袖にしがみ付いてきた。どうやらお化けとかの類が苦手みたいだ。


「亡霊ですか…。なら考えられる可能性は死霊術師(ネクロマンサー)不死族の王(リッチ)ですね」


死霊術師(ネクロマンサー)不死族の王(リッチ)ですか……。聞いたこともありませんね」


「ああ、そうだな。リースよ、私たちに教えてはくれんか?」


「ええ、いいですよ。まず、この二つの決定的な違いは人間か魔物かです。まず死霊術師(ネクロマンサー)。こいつらは前者、人間の方です。こいつらは黒魔法という死者を操る魔法を使います。人間なだけあって知恵を使うので厄介な敵になります」


「ほうほう、なら不死族の王(リッチ)は?」


「そいつは不死族(アンデッド)たちを束ねる存在なので、周りにはゴーストやグール、ゾンビなどがいます。こいつらの厄介なところは数です。それはもうめちゃくちゃ多いです」


「それなら両方の場合の対策を練らなければいけませんね」


「対策はどちらもそう変わらないさ。浄化魔法を使えば対処できる」


「でも、死霊術師(ネクロマンサー)は人間なんですよね?浄化魔法は効くのですか?」


「正確には黒魔法に反応するんだ。こいつは黒魔法が使えないと何も出来ない。後は捕まえて終わりだ」


「なるほど……。で、どうだ、リース。いけそうか?」


「ええ、大丈夫です。任せてください」


「なら、頼んだぞ。クレアも気をつけてな」


「はい、お父様」


 こうして俺とクレアは古城へと向かった。

 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ