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第9話 見せ物になった



 俺は自分の成績について合格者受付に聞きにいった。


「あのー、すいません。ちょっと成績について聞きたいんですけど」


「名前を教えてもらってよろしいですか?」


「リース=グレイアスです」


「えーと、あ、一位おめでとうございます。リースさんは魔術試験が300点、剣術試験が100点ですね」


「魔術試験の結果がおかしいと思うんですけど」


「いえ、おかしくないですよ。魔結晶を壊すほどの力を持ってるんですから。当たり前ですよ」


 どうやら学校側のミスではないようだ。それにこれ以上何を言っても結果も覆らないだろう。


「分かりました。じゃあこのまま受付してもらっていいですか?」


「はい、分かりました」


 そうして俺は受付を済ませた。学校は明日から始まる。


 そして合格者は寮に入ることになってるので、宿から荷物を持って寮に移動する。


 ひとまずもらった制服などに不備がないことを確認し、今日は休むことにした。



 次の日、入学式に出席して理事長のゲルドの話を聞きつつ、襲ってくる眠気を抑える。そうして入学式を乗り切った俺は、自分のクラスに移動する。


 自分の席に着くと、先生が入ってきた。

それはまさかの理事長だった。


「やぁ、諸君!俺がこのクラスの担任だ!今日からよろしく頼む!」


 この人はいい人そうなんだけど、なんか軽そうだな。実力はそこそこってところかな。


「よし、じゃあさっそく校庭に行くぞ!」


 そして俺たちは何故か校庭に連れてこられた。


「お前らに一つ見せたいものがあってな。リース!ちょっとこっち来い」


 俺は理事長に呼ばれて前に出る。


「なあ、入試みたいな魔法見せてくれよ」


 俺はそう小声で言われる。


「……分かりました」


 俺は渋々承諾して、魔法を発動する。


 校庭に風の渦が発生する。それはどんどん大きくなっていき、やがて校庭ぐらいの大きさの竜巻となった。


「な、なんだよ、この大きさ!?」


「しかもこれ無詠唱じゃなかったか?」


「さ、さすが入試一位だな……」


 色々なところから声が聞こえるが、無視だ。


 これは元々ある『暴乱流』という魔法に『配位魔法』を組み込んだ魔法だ。やはり威力の大きい魔法は『配位魔法』で発動するに限るな。


「どうだ、これが無詠唱魔法だ。詠唱魔法より速く発動できるし、威力も大きい。諸君らもこれからは無詠唱魔法を練習してもらおうと思ってる」


 何っ!それは無詠唱魔法を推奨するということか!それはとてもありがたい。無詠唱魔法の普及はこの時代を発展させるための第一歩でもあるからな。


「でも、そんな簡単に出来ると思えないんですけど」


「それはだなー。リース、何か案はないか?」


 人任せかよ。まあ無理もないか。俺が使うまで、おそらく知らなかっただろうしな。


「別に難しくはないさ。魔力の流れを感じて、使いたい魔法をイメージするだけで使えるようになるさ」


 俺は大雑把に説明した。大体こんな感じで分かるだろう。そう思っていた。だが、全員ポカンとしている。


「ああ、すまん。俺らにはその魔力の流れというものが分からん」


 は?魔力の流れを感じるのは魔法を使う上での基本中の基本だぞ?


 まさか、そこからかよ……



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