第83話 最強の黒剣
俺は黒剣で何もない空間を斬った。すると、斬撃の衝撃波が悪魔へと飛んでいった。
「なっ!?……黒盾!」
悪魔は寸前のところで黒い盾を展開する。だが、衝撃波はその盾すら斬り裂き、悪魔に鋭い太刀傷をつけた。
「がはっ……」
悪魔は初めて膝をついた。それだけ強力な攻撃になったのだろう。
俺はロスト・イグニスと黒剣の二刀流で悪魔の方を向く。
「もう終わりか?」
「なめるなぁぁ!!!」
悪魔は両手に闇を展開する。
「黒連弾!!」
両手の闇から無数の小さな黒い弾が発射される。俺は軽々とジャンプして避けるが、その弾は俺の跡をついてきた。ホーミング機能が備わっているみたいだな。
俺はロスト・イグニスに魔力を込めて、大きな光の渦を足元に展開する。黒い弾はその光に飲み込まれて消滅する。
そして黒剣で斬撃を飛ばす。悪魔は後ろに跳んで回避をするが、俺は既にその場所に魔法を放っている。
「光の剣」
三本の光の剣が悪魔の肩、脇腹、左膝に突き刺さる。
「ぐっ・・・」
さらに俺は加速して、黒剣で悪魔に袈裟斬りを放つ。
「はぁぁぁぁ!!!」
「はっ、はっ、く、黒槍!」
悪魔は急いで攻撃を放って、体制を立て直そうとするが、黒剣は悪魔が放った槍を吸収して、悪魔を斬り裂いた。
「くそっ……何なんだ、その力は」
たしかに俺は黒剣が現れてから、魔法の出力が上がった気がする。これもこの剣の力なのだろうか。
「俺にもよく分からないが、やっぱりお前を倒す力を持ってただろ?」
「ふっふっふ。たしかにこのままではお前に負けてしまうな。だが、これで終わると思うなよ?」
そう言った瞬間、悪魔の魔力が上昇し始めた。俺はそれを察知して、後ろに下がる。
「たかが人間一匹にこれを使うことになるとはな。自慢してもよいぞ?まあ、ここで死ぬがな」
「お前も奥の手があったのか。これでお互い様だな」
「ほう、まだ余裕があるか。だが、直にその余裕も消えるだろう。この力の前ではな!」
悪魔の体が肥大化し、2倍ほどの大きさとなり、さらに禍々しい姿となった。それに比例して、魔力もどんどん上昇する。
「……でかいな」
「はっはっは!死ねぇぇぇ!!」
悪魔は黒い槍を数十本ほど展開する。そして、その槍を一気に発射する。
俺はロスト・イグニスの力で多数の光の渦を作り出す。それで何とか槍を防ぎきったが、悪魔は次の攻撃の準備をしている。
このままでは、また消耗戦に持ち込まれてしまう。なんとかしなくては。
その時、ロスト・イグニスが俺に話しかけてきた。
『その力の使い方、教えてあげようか?』
更新が遅れてしまってすみません!




