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第75話 いざ、竜の里へ



 休日も終わり、俺は約束通り、竜の里に向かうことにした。理事長にしばらく休むという話をして、校庭に向かう。


 転移魔法を使ってもよかったが、ヴォルニクスがどうしても俺を自分の背中に乗せて、竜の里に連れて行きたいと言ってきたので、そうすることにした。


『準備は出来たか、リースよ』


『ああ、大丈夫だ』


「ちょっと待ってー!!」


 ステラ、レイナ、ミルの三人がやってきた。


「私たちも行くわ!」


「……リースだけ、行かせるわけには、いかないよ」


 ん?ミルの様子がなんだかおかしい気がするが、気のせいかな?


『ヴォルニクス、あと三人増えるけど大丈夫か?』


『問題ないぞ』


 俺が心配していたのは重量の問題ではなく、ヴォルニクスの人間恐怖症の方だったんだけど……まあ、大丈夫か。


「よし、行くぞ!」


 三人の顔がみるみる明るくなっていく。


「うん!」


「ええ!」


「やった!」


 俺たちはヴォルニクスに乗り、竜の里へと向かった。



 出発してから約10分後のこと。


「ねー、リースくん、どれぐらいかかるの?」


「まあ大体2時間ぐらいかな」


「意外とかかるわね」


「場所が場所だしな。仕方がないだろう」


「……リースは行ったことあるの?」


「昔にちょっとな。竜神とも知り合いだぞ?」


『え、竜神様と知り合いなのか!?』


『ああ、随分前に会ったから覚えているかは分からないがな。てか、そろそろ念話はやめないか?他の人とのコミュニケーションが取りづらい』


『まあ、そうだな。やめてやるか』


 俺とヴォルニクスは念話をやめた。元々、ヴォルニクスと話すのに念話はいらないが、あの時は仕方なく使ったのだ。


 そうというのも、この時代の人間は竜を知らない。当然、竜が人間の言葉を話すことも知らない。ということは、竜が突然現れただけでも驚くのに、人間の言葉を話すことで更に驚かせてしまうだろう。だから、念話で済ませた。要するに、俺なりの配慮だ。


「あー、んんっ、なあ、ヴォルニクス」


「なんだ、リース」


 ちらちらっと三人の顔を見てみると、とても驚いた顔をしている。やっぱりこうなるよな。


 だが、少し違和感を感じた。まあ、気のせいか。


「……ちなみに竜は人間の言葉を話すことが出来るからな」


「なんで教えてくれなかったの!?リースくん!」


「いや、聞かれなかったし」


「言いなさいよ!そのくらい!」


「……私も話したかった」


「悪かったって。ほら、ヴォルニクス、話してやってくれ」


「お、おお、分かった」


 だが、誰も話そうとしない。

 少し待ってると、


『おい、リース。何を話せばいいんだ!』


『なんでもいいだろ。そんくらい自分で考えろよ』


『ぐっ、うぬぬ、分かった』


「おっほん、あー、ヴォルニクスだ。よろしく頼む」


「す、ステラです。よろしくです!」


「レイナよ。よろしくね」


「ミル。よろしく」


 ようやく自己紹介をして、話し始めた。

 どんだけ人見知りなんだよ。


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